「シカマルく…!」


あー、あー…すっかり涙声で

普段怒ったりしねぇやつがんなことすっから


やれやれと口元を緩ませる。早いとこ彼女のもとに行き、おもいっきり抱き締めてやりたい

その前に駆除せねばならない新たな害虫が三匹もいるが


つぼみを殴ろうとした腕を掴んでいる手に力を込める。大の大人が子供相手に力で負けるとは情けない。…つっても、こっちは忍だし


昔っから修行していたため、負ける気はしない


スッとシカマルは目を細め、目の前の野郎にしか届かないぐらいの声で呟いた


「……想定外のこと、すんじゃねぇよ」

「っ!」


おい、おっさん





「       」



「ひぃ…!」


おれの手の痕が出来た腕を押さえながら、慌てて店を飛び出していった。連れの二人も急いでそいつを追いかけていく

それを黙って見送る店内。数秒の沈黙の後、店主らしき人物が先ほど殴られた野郎の傍に駆け寄っていった。……ま、こんなもんか


つぼみの方にも来そうだった店のやつに片手で「大丈夫」と合図し、シカマルが歩み寄る





「つぼみ、」


名前を呼んでやると、パチパチと瞬きをしてくる。腰が抜けたのか、ぺたりと座り込む彼女の目の前でしゃがんだ


「怪我ねぇか?」

「うん」

「ったく、無茶すんなよ」

「…うん、」

「………………」

「………………」

「………………」

「………シカマルくん」


すっかり涙が引いているつぼみの頭を撫で続けていると、ようやく彼女の表情が動いた


「いやぁ、ありがとうございました」


いつもと変わらない笑顔。それでもおれにとってはその笑顔、全てが特別なわけであって、





「どういたし、まして」


やべぇ、すっげぇムラムラする


いつでも、どこでも、誰がいようとも高ぶることの出来る下半身には強すぎる刺激だった。もちろん彼女限定で





(とりあえず、任務完了ってことで)



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