「ターゲット確認」

「こちらも確認。あ!今話しかけようとしたわよ!こんな忙しいのに」

「こちらも確認。今すぐいきてぇところだが、ダメだ。店側にも迷惑がかかる。ターゲットが休憩に行ったときが勝負だ」

「「了解」」





「……じゃねぇよ、お前ら!」

「あ、ちわす、アスマ先生。今日はいい天気デスネ」

「んなので誤魔化されるかっ!ちょっとこっち来い!そこに隠れてる二人もだ!」

「え、ちょ…っいででででっ!」


何すんだよ!


むんず、と結っている髪を捕まれた

そのままずるずると裏路地へ連れていかれた三人は不満げにアスマを見上げる


「髪引っ張んなよ、禿げるだろ」


アスマみてぇーに


シカマルは最後の部分は口から出さずに喉に止めておいた。どうせまた引っ張られるのが目に見えているからである


…てか、これ抜けてね?ちゃんとおれの髪あるか?


おれが髪を確かめていると、アスマはゆっくりと煙を吐き、小さな声で何をやっていたか問う。つーかマジ煙い





「何って、害虫駆除よ。害虫駆除!」

「…ほぉ、おれには害虫なんて見えなかったが」

「先生、害虫って言うのは例えでね、本当は…」

「わかってるよ!どうせまたつぼみ関係だろ!?」

「「「正解」」」


どや顔してんじゃねぇよ…!!


重力に負け、項垂れる頭。そしてチラリと窓から店内を覗いた


その中には忙しそうに接客をしている、こいつらの姫さんが見える。最近仕事を始めたと聞いたが、どうやら場所はこの甘味屋だったらしい


「ったく、本人が頑張って仕事してんだから邪魔すんなって」

「でも先生…ここの男店員が……」

「…………はぁ、」


お前らそればっかりだな、下心ない相手だったら失礼だろ

え?今回は確実に下心有り?前も同じこと言ってなかったかお前ら…





って、ん?


じー、っと視線を外すことなく彼女を見ていたら、同じ従業員だろう、一人の男性が彼女に話しかけてきた

内容はきっと仕事関係、しかしその男の顔は心なしか赤く染まっていて


「…あー、確かに今回は」

「でしょ!?そうでしょ!?よし、チョウジ私たちも行くわよ!」

「うん!」

「だぁー!待て待て待て待て!!」


「それとこれとは話は別だろ!」走り出した二人の服を掴み叫ぶ。相手さんにも恋する権利はあるはずだ、いや、あるだろ普通。そう言おうとしてアスマはハッとする








「…………おい、シカマルはどうした」


右手にはいの、左手にはチョウジ。では、一番の問題児は?


「もう店の中だよ?」

「そうよ、だから私たちもこれから行くんじゃない」

「シカマルー!!!てめ、帰ってこいぃい!!!」





やだ、無理、却下


この場にいないはずなのに、やつの拒否する声が聞こえた(気がした)



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