「うん、まぁ…心配してくれたのは嬉しいけど…」


あの人、道聞いてきただけだからね


つぼみがアカデミーの門があるであろう方向を見つめ呟いた。しかしその呟きに、言い方は違えど、三人は「いや、下心があった」と言って譲らない


…彼がどうなったか

それはこの三人しか知りません、はい




そんなこんなと、いろいろあったが私は今アカデミー内の中庭にいる

本日からめでたく下忍になったらしい三人囲まれながらお昼を食べることになった


…いや、食べることになったって


「……昨日、試験合格おめでとうって言えなかったから来ただけなんだけどなぁ」


まさかアカデミーでご飯とは


「まぁ、お昼ぐらいいいんじゃない?」

「う、うん…でもみんなのお弁当分けてもらっちゃって…なんかゴメンね」

「つぼみさんにだけ、特別だよ」


く、くそう、かわいいこと言いやがってこの子は!


彼の頭をいい子いい子する。もぐもぐとおにぎりを頬張るチョウジに、つぼみは胸を打たれた。かわいいかわいい


いつもならこうしてつぼみとチョウジが絡んでいると、他二人が騒ぐのだが…


「…しょ、あいこで…」

「……あっ、ちょっと今後だししたでしょっ」

「ねーよ」


………うん、仲良くジャンケン中のようです


とりあえず喧嘩しているわけではないようなので、放っておくことにした


こうして外で食べることなどないので、とても新鮮だ。そして楽しい

つぼみはのほほんと頂いたおにぎりを頬張る(……秋道家の米うまっ!)(なにこれ、今度炊き方聞きに行こうかな)





それにしても、


「いやー、みんな忍者かぁー…」

「つぼみさん?」

「…こうして四人でのんびり出来なくなっちゃうんだろうね」


「お姉さん寂しい」とおちゃらけて言う。といってもこれは本心なんだけど

今のうちにこの子らと戯れておこうと、つぼみは再びチョウジの頭を撫でた


「あーもう!負けた!!」

「へっへ、わりぃないの!」


お、ジャンケン組も終わったのかな。お昼も食べずに何してたんだろう


うがー!と叫びながら頭に手を当てるいのに、あ、彼女が負けたんだな、とわかる。しかし随分と悔しがっているようだ


気になったつぼみは二人に声をかけた


「ねぇいのちゃん、何の勝、」

「つぼみさぁぁあん!!」

「ぶふぅ…!!」


な、なにごとぉ…!?


強烈なタックル、口から米が飛び出たかもしれない。口元を確認しながら、自分の腹部に頭を埋める彼女の頭を撫でた


「ぐふっ…ぇ、えーっと…いのちゃん、?」

「おい、ジャンケンしたろうが」

「うっさいわねぇ!少しぐらい許しなさいよ!」

「いや、何が…?」


いのちゃんの締め付けは中々強力だな。ははは、は……ぐふっ


状況のわからないつぼみとチョウジは首を傾げた。そんな二人にシカマルが説明をする


そのままブイサインをしているところを見ると、チョキで勝ったらしい


「つぼみの隣にどっちが座るか決めてた」

「あ、そうなの?ボクやってないけど」

「チョウジはいいのよ!!」


…どういう基準?


「とりあえずおれが勝ったから退け」

「ぐすっ…つぼみさん…」


いのちゃんの涙目攻撃!効果は抜群だ!……じゃなくて


ここは皆が笑顔になれる一番の方向を考えなければ…

うーん、やっぱ私が年上だし、





「………あ、じゃあいのちゃんが真ん中に、」

「「「それ無意味」」」


…お、ぉおう。息ピッタリですこと

ふむ、ならどうするか…





あ、そうだ


「ジャンケンに負けたいのちゃんが、私の膝の上に座るってのは?」


流石に恥ずかしい?でも負けたなら罰ゲーム感覚でいいでしょ?


あはは、と笑いながら提案した。もちろん半分以上冗談である


しかしこの台詞に二名の目の色が変わった













「よっし!ジャンケン仕切り直しすんぞ」

「いやよ!私が負けたんだから!大人しく隣に座りなさい!」

「無理。やり直しだ」

「つぼみさーん、膝失礼しまーす」

「あ゛っ!待て!」








「………………君たち、恥ずかしいって気持ちはないのかな?」

「うん、どっちかって言うと嬉しいよ」

「………そう」



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