中忍試験も無事終わり久々に休みをもらった。連休をもらった。めっちゃ嬉しい


目覚まし時計が活動する五分前に体を起こす。いつもだったらギリギリまで寝ているし、まず休みの日に目覚ましなんざかけるわけがない

それでもいつもより早く起きてしまったのは、今日、あの娘と会うからだ


さぁて、なにしようか


鏡を見ながら紙を結わく。そこににやにやと気持ち悪い笑みを浮かべる男性が映り、一瞬固まった。あ、これおれか


あの娘が関わると変態だな、自分。ロリコン言われてもしゃあねぇか


「うし、行くか」私服に身を包み玄関の都を開ける。母ちゃんに朝飯を聞かれたが断っておいた。平気平気、別のもんで満たされてきまーす





ただいまの時刻、七時十三分。あの娘の部屋に窓から侵入、しかし目当ての少女はまだ夢の中だった


「お邪魔します」と呟きベッドに腰を下ろす。その際響いたスプリングの音に変な気分になった。仕方ない、まだ朝だから

邪念を遠くに投げ捨て、深く深呼吸。一気に入ってきた部屋の香りに邪念が物凄い速さで帰ってきやがった。仕方ない、まだ朝だから


「あの娘ー」

「んー…、」


このままでは犯罪をおかしてしまいそうだ、そう思い寝ているあの娘の肩を叩いた。しかし軽く唸るだけで起きる気配はない

もぞり、少女が動いたことにより掛け布団がずれた


そこに隠れていた物を見たおれは完全に固まる





「………ふむー」


ぎゅう、とそれを抱きしめ幸せそうに笑うあの娘。いかん、ノックアウトした。床に転がってもだもだしたい


あの娘が抱きしめた物、それは女の子なら普通に持っていそうなかわいらしいぬいぐるみ。しかし、今回はぬいぐるみのモチーフが悪かった


あの娘に劣るが、かわいらしい目でこちらを見てくるぬいぐるみ。どうみても鹿の形をしている





そういや、中忍試験があってここしばらく会えてなかったな

つまりだあの娘、そういう意味でそのぬいぐるみを抱いてるってことでいいか?

兄ちゃん都合よく解釈すっけど、別に問題ないよな?な?な?なっ?


心の中で必死に問いかける。伝わるはずもないおれの声だが、タイミングよくまたあの娘はにこー、と笑った


やったね、これ両想いじゃん


こうしちゃいられない、おれは寝ているあの娘を横抱きに抱え部屋から出る。ホント、あの娘お前いい匂いするな。…っと、鎮まれおれの下半身



人の気配のする襖をスパァン!と開けた。そこには目を丸くし、驚くあの娘のご両親がいた

開ける音に目を覚ましたあの娘が、目を擦りながらおれの服を掴む。そんな彼女を抱き直し、朝ということを忘れ大きな声で言った


「すいません、あの、」







娘さんをおれに下さい


真顔で言い切ったおれに、二人の目が点になった


「………わぁ、シカマル兄ちゃんがいる」


「やったぁ…」そんなかわいらしい声が聞こえたと思ったら、あの娘がおれの胸に頬擦りしてきた

数秒の沈黙のあと、表情を崩さずこう続けた





「娘さんと、あと…ティッシュくれませんか」


鼻血出そうなんで


…………あ、出た





本格的暴走開始


「い、いや…娘をくれったって」「本気ッス」「でも、娘といくつ離れ、」「恋愛に年の差は関係ねぇと、思います」「あの娘はまだ十にも満たな、」「それでもおれはあの娘さんを愛してます!」「え、えぇー…」



ティッシュを詰めたイケメン