「先輩、好きなんです」


テニス部でもないこの人は何故か先輩達に愛されてる。最初はどこか気にくわなくて警戒していたけど話してみれば面白い人だった。一緒にサボってくれるし、時には勉強も教えてくれた。試合に応援しに来てくれたこともあった。そこそこモテるらしく告白されている場面にバッタリ立ち会い聞き耳を立ててしまうこともしばしば。俺はすっかりこの人にハマってしまって先輩先輩状態。先輩も嫌がらずに構ってくれる。

いつからか膨れ上がった俺の恋心は破裂するんじゃないかって程成長した。それに気付いたのは最近のことではない。それからと言うもの、先輩が他の奴と話してたり、触れ合っていると拳を強く握っていた。


そろそろ我慢するのも疲れたと言うよりか、辛い。黄昏てやろうと屋上にサボりに来ると悩みの種である先輩が居た。俺に気付いて「赤也、またサボりか?」と自分のことは棚に上げて俺の好きな笑顔で言うもんだから、つい。



「赤也、お前何すん、っあ」
「先輩、好きです、大好きなんですよ」
「わ、分かったから、」
「俺いつまでもただの後輩で居る気なんかないっスよ」

もうこんなヌルイ関係は嫌だ。気付いた頃には夕方で、部活に行かなきゃと思うと目の前には身に何も纏わずに涙を流している先輩が居た。ケツからは白い何かが流れ出ていた。