これはフワンテと女の子のむかしむかしのおはなしです。
ある日、フワンテはふわふわと気ままにお散歩をしていました
「フワンテだ!かわいいっ。こんにちは!」
「ぷわわわ」
わぁ!こんにちは、かわいい帽子の男の子
「手、つなご!」
えっ?私と手をつないでくれるの?嬉しいなぁ
「ぷわわ!」
男の子と一緒に公園を歩いていたらお母さんがやってきた
「お母さん!お母さん!みてみて、フワンテだよ!」
「ぷわわ」
こんにちはかわいい帽子の男の子のお母さん
元気にあいさつしたのにその子のお母さんは怖い顔をしたんだ
「だめ。フワンテはね、あの世にケンタを連れて行っちゃうから手を握っちゃだめなの」
そう言うと無理矢理男の子の手をはがされちゃった
「ぷわわわ…」
私、あの世になんかよっぽどのことがないかぎり連れてったりなんかしないよ
「ぷわわわっ!」
そうだった、私の手を怖がってみんな握ってなんかくれなかったよね
悲しくて悲しくて私とびだしちゃった
どれだけ流されたのだろう、気ままに、風の吹くままに流されていたらイッシュ地方にある橋までたどり着いていた
「ぷわ…」
すごい橋だなぁ
そう私が関心していたら、いついたのだろう。
女の子が私をみて嬉しそうに話しかけてきた
「フワンテさん、こんにちは。手つないでいい?」
「ぷわわ…」
だめだよ。私はみんなを苦しめちゃうよ。手なんか握ったら…
「わぁ!フワンテさんの手はやわらかいね!」
「ぷわ?」
怖くないの?
「フワンテさんなんか悲しそう。大丈夫だよ、わたし貴方のこと怖くない。だってフワンテさんの手こんなにあったかいんだもん」
「ぷわわ…」
嬉しいなぁ、そんなこと言ってくれるの君だけだよ
「また明日遊びにいくね」
「ぷわわ!」
あれから私はあの子とよく橋の上で遊んだりしたけど、なんでかな。あの子がだんだんと薄くなっていくんだ。会うたび会うたび
「フワンテさんこんにちは、今日もきてくれた!」
「ぷわわー!」
「あのね、フワンテさんに話しておきたいことがあるの」
「ぷわ?」
「わたしねもう、お母さんのとこいかなきゃ」
「ぷわわ?!」
えっ?
「驚かしてごめんね。わたし、どうしてかわからないけどここでお母さんと一緒に死んじゃったの」
「ぷわわ…」
「でも、わたし貴方みたいなやさしいポケモンに最後会えて嬉しかったよ。ありがとうフワンテさん」
「ぷわわわ!」
いかないで…!いかないで…!
「泣かないで、わたしまた会いにいくから。約束する」
「ぷわ…」
「最後にわたしのお願い、きいてくれる?」
「ぷわ…」
私にできることならなんでもするよ…
「手、握ってもいい?」
最後に握られたあの子の手はあったかかった。
ちゃんと、あの子お母さんに会えたかな。
フワンテのあの世につれていくと言われてる手はあの子を幸せにしていたとまだフワンテは気づいていなかったんだって。
おしまい
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