第一印象から決めてましたみたいなことじゃない。むしろ第一印象最悪だ。いきなり刀突き付けられて好きですなんてどんな一目惚れだよ。まあ美人だとは思ったけどさ。
だからそんな顔しちゃ勿体ないよ。



「斬り殺されたいのか、テメェ」



思うがままに口にしてあの出会った時のように刀が目の前に現れる。斬られるわけではないけれど正直いい気はしない。してたらとんだド変態だ。俺は決してMじゃねぇ。
眉間に深いしわを寄せた真選組の女副長様はご立腹だ。何にそんな怒っているのか分からない。そんな顔しちゃせっかくの美人が台なしだとは言わない。何せ怒っている時の顔もいいからだ。
はらりと俺の銀色の髪が数本散る。



「っぶないなぁ」
「いい加減にしろ……」



照れているようには見えなかった。射殺さんとばかりにぎらぎらと目が光っている。殺気も本物だ。
何をそんなに怒るのか。いいじゃないか俺の勝手だろう。お前を美人だと思ってるやつなんかたくさんいるし。俺はそん中のたった一人。



「テメェが何を思おうが知ったこっちゃねぇ。だがな、また女扱いしてみろ。次は斬る」



恐ろしい言葉を残したその背中はやはり女のものだった。








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