どうしてこんなものが僕の身体にあるんだろうともう何百と考え結局答えは出なかった。意味無いとこに気づいていたけれどまあすることも無かったしいっそ死んでやろうかなんて。まあもうそんなこと考えないんだけど。だって君がいるからね。



「ん、コレ美味い!」
「天然物じゃないらしいけど口に合ってよかった」



どれだけ酷い実験をさせられてきたんだろう。毒の実験についてはもう考えられないくらいさせられたかな。トリコやサニーやゼブラもやられたみたいだけど僕は大半がそれだったし。たぶん三人は身体能力とかを中心にした実験だったっけ。もう昔のことで覚えていたくないから知らない。ああ昔を思い出したくない。べつに嫌なことばかりじゃないけれどやはり嫌な思い出の方が強く記憶に残っているものだから。そんなことを考えてるのは僕だけでいいよ。



「なあココ、なに真剣に考えてるんだよ」
「ん?そんなに考えてるように見えた?」
「見える」



進行形とは参ったな。でもトリコに嘘はつけない。だって好きだからね。でもトリコもよく気がつくよ。相思相愛でいいよね僕ら。幸せだけど幸せっていうのはいくらあっても足りないものだから。もっともっとって増えて底が見えない。幸せはきっとある種の毒だ。それでも求めずにはいられない。欲深くてごめんね。でもやっぱり撤回だ。謝らないよ。だって欲深いのは事実だから。



「トリコと幸せにいられるにはどうしたものかなってね。もちろん今も幸せだけど」
「美味いもん食うとか?ほら」
「ありがとう。でも少し違うな」


幸せそうに食べるトリコを見ると僕も幸せになる。それは事実だ。特に僕がプレゼントしたものだとさらにね。でもそれだけじゃ満たされないんだ。もっとって欲張っちゃってるからね。最近は変なやつらも増えてきたし昔のことを考えると正直いい気分じゃないし。それを含めて一つの結論が生まれた。まあ無理なんだけど。



「テロでも起こして二人の国や世界を作ろうかなって」
「お前が言うと冗談に聞こえないな」
「まあね」



もちろん今実現なんかできるわけじゃない。無理なことだとわかっていてもやっぱり願っちゃうものだから。幸せな僕と君の世界。美味しいものと僕たちだけの世界。



「無理なのは知ってるけど」
「べつに悪くなさそうだけどな」
「ふふ、ありがとう。そう言ってくれると嬉しいな」



とりあえず今は君の笑う顔がもっと増えればいいかな。そのためにもたまには美食屋の仕事をやらなくちゃ。





僕と君の世界のために








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