ぱち、と目の前が明るくなる。寝ていたことに気が付き体を起こそうとしたけれど体が言うことを利かない。
「おはよう、トリコ」
「こ……こ」
首だけを動かしてココの声がする方を見る。ココはベッドの隣に座った。いつもの、格好。少しだけ首を動かして周りを見ると、あの部屋だと気が付く。
またやってしまった。そう感じると途端に涙が溢れてくる。
「トリコ……どこか痛いの?」
「ち、がう」
ココがいつもこうして隣にいる本当のことを私は知っている。グルメ細胞の力を制御出来ずに暴れる私を、助けてくれるため。今日も、さっきもそうだったのだ。
だからココはいる、私の隣に。本当はいてほしくないのに。だってこんな姿見られたくない。
「ココ、ココ」
「トリコ……?」
「ごめん、ごめんね、ココ」
ココが私を助けてくれるとき、一瞬だけ意識が戻る。そのときのココの顔は、本当に辛そうで。胸が刺されるような、張り裂けるような。死にも似た感覚になる。
「ココに、そんな顔してほしくない、のに……」
流れる涙はきっとココのものだ。
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女体化すみません全力の趣味です。
あと庭時代はこんな殺伐としてない。もっと明るいはず。