「僕に触れたら駄目だよ」



じわり、じわり。ココの体に色の濃い紫が広がっていく。触れればきっと手の平が焼かれてしまうのだ。こうなればさすがの俺も触ることは出来ない。



「水、要るか?」
「……いや、要らない」



ココの体の全てが色の濃い紫に染まった。指や顔から垂れた紫の液は床を溶かして消えていく。これを見て、ココの毒が危険だと認識する。たくさんの毒と、たくさんの抗体と。そしてたくさんのココにとって大切なものと、要らないもの。その全てがあの床に消えていったものなのだ。



「ココ、」
「駄目だ、トリコ」



手を伸ばしても触れることが出来ない。触れることの出来る距離なのにその一言でとても遠くに感じてしまう。辛そうに目を閉じて額を抑えるココに俺はなんて声をかければいいんだ。逃げてしまえば早いのだろうが、そんなこと出来るはずがない。解決策なんか一つしかないのだから。





あの毒を飲み込めることが出来たなら私たちは幸せになれるのに








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