私は今日も膝を抱えて一人で眠る





兄さんの足が動かなくなったのは、使えなくなったのは自分のせいだ。それは紛れも無い事実で、現実で、でも俺はそれから目を逸らさないし、逃げるつもりもない。けれど自分一人でそれを何とかさせることは出来ない、無力感。そこに一筋の光が射したのなら追い掛けないわけにはいかない。自分にはそれしか出来ないからだ。ただがむしゃらに追い掛けて、追い掛けて、その光を掴むだけなのに、出来ない。



「手術費用は膨大な額だろう?」
「……はい」
「それを用意出来たら、どうする?」



もちろん使う。早く、兄さんの足を戻す。それ以外に何があるというのだ。昔のように走ってボールを追い掛ける兄さんが見たい、ただそれだけなのに。今自分があの光を追い掛けるように、ボールをがむしゃらに追い掛ける兄さんが、光なのに。



「サッカー部はどうだ?」
「……ああ、それなりだよ」



きっと兄さんは恨んでいる。当たり前だ、そんなこと。だから早く治さなければいけない、早く、兄さんの足を動かさなければ、いけない。なのに、どうして笑顔で問い掛けてくるのだろう。



「京介、サッカー頑張れよ」





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もやもや剣城くん。
もっとアニメにお兄ちゃん出てきても、いいのよ?








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