きっとココの毒を飲んだら死ぬんだろうなと思った。適当な毒で猛獣が死ぬんだから、本気の毒なんか飲んだら即死だろう。くだらないことに興味がわくのはいつものことだ。



「なに?熱い視線送ってくれてるみたいだけど」
「ん?べつに?」



出された紅茶に砂糖とミルクを入れて飲む。テーブルの真ん中にあったクッキーやチョコレートは全て食べてしまったので、新しくココが持ってきたクッキーを口に入れた。甘酸っぱい。



「なんとなく、お前の毒飲んだらどうなるのかと思って」
「自殺願望でもあるの?」
「なわけねーだろ」
「だよね」



クスクスと笑いながらココも紅茶を飲んだ。砂糖もミルクも何も入れない。そのまま飲むと苦く感じるのは俺だけなのだろうか。ま、いいや。甘酸っぱいクッキーの隣にあったマシュマロに手を伸ばす。口に入れるとあっという間に溶けてしまい、また口に入れた。



「でも、さすがのトリコでも危ないね」
「なにがだ?」
「僕の毒を飲むのさ。軽いのなら平気だろうけど、本気だったら」



ココが浮かべている笑みは、心配する声とは正反対に楽しそうな顔だった。実際、俺が飲んでどうなるかなんてまったく想像できない。死ぬかもしれないし、平気かもしれない。興味があるのは俺だって同じだけど、今はまだ死にたくないから遠慮する。まだ、旨いものを食いたい。



「ココ、腹減った!」
「人の家でよく言えるね。しかもお菓子食べただろ」
「足りねーよ!もっとだ!」
「毒でも入ってたら、どうすんのさ」



べつにココの毒なら、と口にするのを止めて食べられればそれでいいと返事をする。ココは呆れながらも笑って食事の準備を始めてくれた。








「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -