坊ちゃんがお嬢さんだよってことで注意!









「カイジの馬鹿」



ベッドの上で私は膝を抱えて俯いて同じようにベッドの上で胡座をかいて俯いているカイジに言った。



「ホント馬鹿、阿呆」



悪口や罵倒はだんだん息をするかのように口から零れていく。けれどその悪口や罵倒は幼稚園児が言うようなものばかりだ。相手が本気でいらつくような悪口や罵倒はきちんと頭が働いていないと言えない。頭が働いていないと単調でつまらないことばかり口にする。



「馬鹿、阿呆……意気地無し」



何が駄目なのだろう。私たちは恋人同士だというのに。



「ごめん」
「ごめんじゃない」
「……ごめん」



いまどきの高校生はみんなセックスなんか普通にするのにカイジはそれをしない。二十歳をこえているのに高校生の私に手を出さない。ただ単に勇気が無いのかもしれないけどそれだってひどい。



「いいでしょ別にそんなの。だって恋人でしょ?」
「そう、だけど」
「手だって繋いだし」
「うん」
「キスもしたし」
「……うぅ」
「な、なんで泣きそうなの!?」



もしかしてキスしたことも駄目だったのだろうか。十六歳と二十歳でキスが駄目なんて。



「なんで駄目なの。今どきみんなしてるでしょ?」
「バッカ野郎!お前、そんな軽く言うな!いいか、一つ間違えれば大変なことになるんだぞ!身体にだって負担はかかるし下手すりゃ赤ん坊だってできちまうし!」
「私はべつに」
「駄目だ!……お前が良くても周りが駄目だと言えば駄目なんだ。たとえお前があの会長の娘だからいいとかじゃないんだよ」



何故かカイジの言葉を聞いてしまう自分が居た。どうして聞いてしまうのだろう。やはり私より大人だからだろうか。それとも私みたいな立場じゃないからとか。今まで理不尽なことを経験し続けたからなのか。



「言いたかないけど、もしかしたら俺と違うやつを好きになるかもしれない。俺だって他のやつを好きになるかもしれない。そりゃ今は好きだから、もしかしたらの話だけどよ。……まだ決めちゃ駄目なんだ。大きく考え過ぎかもしれないが、それでなくてもまだ早い。だから、駄目だ」



途中からカイジは俯かず私を真っ直ぐ見て話していた。さっきまで俯いていたのに。だからなのか更に話の内容に説得されてきた。それとカイジがかなり考えていたことも分かってきた。カイジはカイジなりに私のことを考えていてくれたらしい。嬉しいけれどなんだか物足りない。



「……分かったよカイジ」
「え?」
「分かったって言ったの」
「ほ、本当か?」
「ただし、一つ条件」
「なんだ?」
「ディープキス、して?」



そのあと何故かカイジに怒られたけれど意味が分からなかった。





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最初シリアスだったのにギャグになってしまった……あと女体化でごめんなさい。








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