俺はもしかしたら自我を持っているのかもしれない。こう考えている時点で既に一つの生命体であることは確かだ。しかし俺には体がない。否。あるにはあるのだ。しかしそれはもう一人のものであり俺のものではない。体を乗っ取り俺自身で動かすこともあるがそれは極稀だった。そして俺はありえない感情を抱いているのかもしれない。それはもう一人に対してのものだった。つまり俺自身に対してのもの。しかしありえないのだ。普通なら自分自身にそんな感情は抱かない。たとえ俺が変わっているからという理由とは別に一般的にもありえないと思うし俺自身もおかしいと思うからだ。俺はもう一人のあの自分を愛しているらしかった。自分自身を愛しているという表現が正しいのは俺には分からない。しかし他に表現のしようがない。これを聞くやつがいればやはりいかれたやつだと思うだろう。それとも自分大好きな変態野郎と思うのだろうか。どちらにせよいい印象は与えないはずだ。しかし俺は俺であって俺ではない。言うなれば同じ体を共有しているだけの存在なのかもしれない。もう一人の俺はそう思っているだろう。しかし俺は違う。俺は確かにそいつのことを愛している。それだけは言える事実だ。しかし告げることは出来ない。したとしてそれは意味を成すのか。そもそももう一人の俺は俺の存在に気づいているのか。そんな出もしない答えに今日も俺は苦しみ続ける。




自分に恋?





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