「ねえカイジさん、知ってる?俺はもう死んだも同然の人間なんだよ?」



何回死んだんだろうと考えると正直何回死んだかなんて分からない。こうして生きてるから死んではいないけれど死線を越えるというのは言うならば死ぬも同然。だから俺は死んでいる。生きながら死んでいるのだ。馬鹿みたいな話だけど事実。



「あんたはそんな俺を愛してるなんて、本気?そうだな……いわゆるゾンビを愛してるんだよ?」



生きているのか死んでいるのか分からない。むしろ死んでいるのにまだ生きている。そして死にたいのに死ねない。そんな存在を愛するなんて馬鹿だよ。普通なら絶対無理。



「ねぇ、カイジさん」



目に涙を溜めていたカイジさんはついに涙を零した。それはまるで川が壊れたみたいに次から次へと溢れていく。きっとカイジさんの目から俺を見ると涙で滲んでいるはずだ。本当にカイジさんは泣き虫だな。泣き虫っていうか弱虫。意気地無し。馬鹿で阿呆。



「んな、こと言うなよ」
「何が?」
「だから、自分が死んでいるとか言うな!例えそれが嘘でも本当でも、絶対にッ」
「……クク」
「な、なんだよ!」
「いや、さ」



あんたは本当に弱虫で意気地無しで馬鹿で阿呆。それから、本当にかわいそう。





かわいそうだね








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