別に言っても構わないんじゃないかと思うけれど何かが邪魔をする。その正体はなんなのか。



「アカギ、飯」



がさりと音を立てて目の前のテーブルに白い袋が置かれた。コンビニのビニール袋。中に夕飯があるのだ。慣れない感触に戸惑いながら俺とカイジさんの弁当を取り出す。あっためてきたのだろうが外が寒いせいでぬるい。特にこだわりがあるわけじゃないから関係ないが。



「いただきますっ」
「……いただきます」



コンビニの弁当はそれなりに量があると思う。カイジさんはそうでもないらしいが俺はそう思う。油物のから揚げを黙ってカイジさんの弁当に移す。最初は文句を言われていたけれどもう慣れてしまったみたいでから揚げが一つ二つとカイジさんに消えていった。そんな姿を横目にじゃがいもを潰した白いやつを食べる。



「ほら、食ったらそれ寄越せよ」
「ん」



ペコペコとへこむ空の弁当箱を渡しながらきらきらと絵が流れる箱がある。白黒は見たことがあった。だんだん目が疲れてきて布団の中に潜り込んだ。柔らかい布団なんて昔は考えるられなかった。枕に顔を埋めるとカイジさんが自分もというように隣に来る。さすがに狭い。カイジさんを退けよう腕を伸ばすが逆に掴まれてしまった。そのまま体をくっつけてぎゅうっと抱きしめられる。



「アカギ、好きだ」



ここに来てからどれだけ経ったのだろう。ここに来てからどれだけその言葉を言われただろう。ここに来てからどれだけその言葉に応えようとしただろう。この迷いは一体。



「おやすみ、アカギ」
「おやすみ、カイジさん」





願わくば朝目覚めてもあなたがいますように





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タウムスリップしてきちゃったアカギ。








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