何度も、角度を変えてキスしながらそのまま少し強めにベッドに押し倒される。


やっと顔が離れたので押し倒された状態で彼を見上げると、夏油くんは余裕のなさそうな表情で呼吸を荒らげながら熱っぽい視線で私を見下ろしていた。

「本当に、このまましていいの?」

はじめて見る夏油くんのこんな顔を見て私は、もっと彼の色んな表情を見たくなった。

やめるなんて言わないで欲しい。

「…夏油くんに触れたい」

彼の口角がゆっくり上がる。

「できる限り優しくするけど、あまり期待しないで」

そう言って私の方に倒れ込み、首筋に彼の唇が触れて生温い舌がゆっくりと私の耳の裏まで這う。

耳元で、はぁ…と彼の低い声と息が耳に掛かる。

それはぞわぞわと私を刺激して全身が粟立つ。じんわりとした快楽に思わず声が漏れる。

「っ、ぁ…」

それから私の髪を少し掬って毛先にキスをした。
夏油くんは起き上がると着ていたワイシャツのボタンを外す。


ぽつ、ぽつと外れていくボタンを私は眺めていた。

全部外れると彼の鍛え上げられた肉体が露になり、留めるものが無くなったシャツは簡単に脱がされた。

そして、その身体を見つめる間もなく夏油くんの手が私の服に触れる。

私はごくり、と唾を飲んだ。

「…電気…消さないの…?」

夏油くんはいつもみたいに優しく微笑む余裕なんて無さそうだった。

「名前さんのこと、ちゃんと見たい。目に焼き付けたい。だめ?」

彼がこんな強引なことを言うことなんて珍しかったので私は駄目、なんて言えなかった。

でも、
「恥ずかしいよ…」

「照れてるその可愛い顔をよく見ていたいんだよ」

そう言って私はあっという間に下着だけの姿になる。

夏油くんとそういうことになるかも、と思って選んだお気に入りの下着だけどいざ明るいライトに照らされると、今までに感じたことがないほど恥ずかしかった。

ちらり、夏油くんの顔を見ると、彼はじっくりと私の身体を釘付けになったかのように見つめていた。

優しく背中の後ろに手が周り、ブラのホックがプツリ、と外される。
そのままブラ紐を肩からずらしてゆっくりと外される。

支えを失って露になる胸。

私はあまりにも恥ずかしくて顔を横にずらして口元を顔で抑えた。

夏油くんの荒い息遣いだけが聞こえる。
私のうるさい心臓の音が彼に聞こえてしまわないか心配になる。

「綺麗な身体。これ、全部私のものなんだよね」

その言葉がすぐに理解できなくて私は黙ったままでいると彼は少し後退りするように動いて私の足元に移動した。

すると、私の足を持ち上げて私の足の指に唇を落とした。

「え、なにして…」

夏油くんは黙ったまま私に目線を合わせる。
それはとても穏やかな眼差しで。

そのまま唇は足の指から少しずれてふくらはぎ、太腿とキスされながら順番に上がってくる。
足にキスされたことなんて無かったからそのまま動けなかった。

「名前さんの身も心も私だけのものなんだよ」

そして、かろうじて履いていた下のショーツに唇が移動して布の上に唇が触れる。

今までベッドに行ったらすぐ着ているものなんて脱がされてしまっていたからこんな風にされるなんて、と私は少し戸惑う。

「それをゆっくり教えるから。だから私に任せて」

夏油くんは数回ショーツの上にキスをするとゆっくりとその布を足先の方へとずらして行く。

私はまた恥ずかしくなって夏油くんから目を逸らす。
露わになったソコはきっともう濡れている。

だから、彼の息がかかる度にどうしても反応してしまい意識してないのにビクビクと動いてしまう。

「丁寧にしてやりたいのに。随分と煽ってくれるんだな、ココは」

そう言ってゆっくりと長い指は私のナカに侵入してくる。
まだたったの指1本。人差し指が入っただけなのに私は脳が揺れ全身がぞわりと痺れる。

「っんぁ…」

それはゆっくりと出し入れを繰り返す。
まだ始まったばかりなのに私の内側の肉は離したくないと必死に締め付けた。

「これだけでこんなにキツいのに、挿れたときが心配でしょうがないよ」

夏油くんはそう言いながらも嬉しそうで。
もう1つ、今度は中指も侵入させる。

先程より太さとごつさを増したそれにナカがゆっくりと拡げられて行くのを感じる。

「ぁ…はっ…あ!」

突然、クイッと曲げられた指に当たるソコは私が今まで感じたことない凄く良いところで思わず声が上がる。

その反応を見た夏油くんは出した指を再度奥に入れるとまた指を曲げて今度はグリグリとそのまま押し上げる。

「んん、だ、め…それ、は」

「気持ちいいんだね。すごく可愛い」

速度を上げて出し入れする彼の指。
都度当たる気持ちの良いところを繰り返されて私は徐々に押し寄せてくる波を感じていた。

「やだ、なんか、くる…やだ、やぁ……っぁ」

恥ずかしくて見れなかったのに私はちらりと彼に目をやると夏油くんはとても嬉しそうに私を見つめていた。

「"良い"の間違いだろ、上手にイけたら次はもっといいことをしてあげるよ」

抗えない快楽に私は抵抗できず彼の顔を見つめたまま開いた口は情けない声ばかり出て塞がらない。

「ぁあ、やだ、だめ、だめだめ!んん!ああぁッ!!!」

ビリビリッと脳に電撃が走り、一瞬私はどこを見ているのか分からなくなるような。そんな感覚。

目に涙が溜まって身体の全部が、熱い。

息が荒くなる。上手に唾が飲み込めなくて口から溢れてしまいそう。

「っはあ、なに、これ…きもちぃ…」


上手く思考が回らない私に彼はくすりと笑ってそのまま唇が重なる。

私はされるがまま彼の舌に口内を弄ばれ、離れるとツーッと透明な糸が私たちの唇から伝った。


「偉いよ。ちゃんとイけたじゃないか。なら次はこっちも一緒に触ってあげる」


そう言って彼の指でまた私のナカを上下に動かすと、今度は入口の上にある突起部分に彼の舌が触れる。

さっき感じたものの何倍もの快楽が一気に押し寄せられた。

「ぁあ!!ゃ、なにして、あ!!だめ!!」

ナカは指でグチャグチャに掻き回されて、ソトは夏油くんの熱い舌で舐め回される。
同時に別の快楽が荒波となって押し寄せて訳が分からないまま私の思考を奪う。

「ああ…すごい…。さっきよりも締めてくる。気持ちいいんだね。またすぐイッちゃうのかな」

そう言って彼は右手の指で出し入れを繰り返しながら器用に左手の親指で私の蕾をずりずり擦り上げた。

「あぁ…あ、だめぇ…!き、きもち、ぃ…あぁっ!」

「ぐしょぐしょだからクリがよく擦れる。一緒にされるのきもちいいね?我慢しないで沢山イッていいんだよ」

「またっ…!!またくる!!…怖い…!…だ、めっ!!」

あまりの快楽に私の目から涙が溢れても夏油くんは動きをとめなかった。

それどころか激しさを増して、ぐちゃぐちゃとなる水音はクリトリスを弄られてるからなのか、それとも腟を出し入れされてるからなのか、もう、わからない。

「怖くないよ。これでイけたら今度は一緒に気持ちよくなろう。だからほら、イッてごらん」

夏油くんの言葉が合図になる。

彼に私の全てが支配されている感覚がどうしようもなく気持ちいい…

「ああ!っふ、ぁ……だめ…い、っく!!ぅぁ」

さっきよりも大きく感じる限界に果てて、私の口からは情けなく涎が垂れてしまう。


私が果てたのを確認すると夏油くんは動かしていた指を止めて、履いていたズボンを下着ごと下ろした。
抑えつけていた布から開放された彼の大きな肉棒は、血管の筋が見えてはち切れそうなほど膨張していきり勃っていた。

ポケットに入っていた避妊具を付けていく大きくて太いそれをまじまじと見ていると夏油くんは少し照れくさそうに笑った。

「入るか心配だけど、十分に慣らしたと思うからゆっくり挿れるね。いい?」


私はこくり、静かに頷いた。



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