一週間外出禁止令が出されて3日が経とうとしている。これを定めたのは夜の精市くん。流石に学生なので学校には行くが終わった瞬間真っ直ぐ帰宅が義務付けられた。買い物があると言い訳をしたその日には、帰ると冷蔵庫が魚で一杯になっており買い物も必要ないと言われベッドに放り投げられた。散々な毎日である。精市くんは良くても私は猫じゃないので毎日魚は飽きてしまいいい加減自分で買い物がしたい。いや、家から出たい。

『精市くん、一緒に買い物行こうか。』
「もうおかずなくなった?なら俺一人で行ってくるから名前は家にいていいよ。」
『でも自分で見て選びたいかなー、なんて。』
「ごめんね、夜の俺がまだ許してないみたいだからまだ出してあげられないよ。」

許すって何をですか。聞いてもはぐらかされ、挙句自分で考えてみたらと言われたら何も言い返せなかった。多分彼が怒っている、気に入らないのは深夜に忍足と電話をしていた件だろう。ベッドに入ってから携帯が光り私に手を回していた彼の手を解き、少しだからと言って離れてリビングに向かい長々と電話をしていたのだ。その様子を後ろから見ていた彼に携帯を取られ強制会話終了。切られたことを咎めようとし振り向いた時の顔といったら出会ったあの日より冷酷だった。

『いつになったら外出禁止令解かれます?』
「記憶は共有出来るといっても意志は別々だから分からない。俺はここ数日満足してるから怖がらなくてもいいのに。」
『う、うん。』

やっぱり昼の精市くんは優しい。

「謝れば許してくれると思うよ?」
『だって何か威圧感で押し潰されそうで。』
「…分からなくもないかな。だけど長引けば長引くほど良くない。」


今日で終止符を打とう。そうして夜はやってくる。尻尾をゆらゆらと揺らし耳をつけた彼の時間だ。向かい合って圧力に負けないように拳を固めた。

『この前はごめんなさい。』
「何に対して?」
『男と長電話…?』
「それも納得いかない。でも俺は君は最近調子が良くなかった気がしたから出禁を出したりしたんだけど。」
『確かに夜遅くまで起きててフラフラしてたりしたかなぁ。』
「それは俺が血を貰ってるから貧血になりやすかったってのもある。俺のせいで倒れるのは後味悪いしね。」

要するに私の体を大事にしろと言うことだろうか。相変わらず言葉が足りないと言うか難しい。

『ありがとう、ね。』
「別に感謝されるようなことはしてないけど。」
『いいの。』
「そう。じゃあもう眠いから寝る。」
『それは私も来いと言うことですかね?』
「当たり前だろ。」


強引なのは変わらない



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