ぜんざいP、もとい光くんとリアルで出会ってから数日後の昼休み。私と光くん、白石王子は一緒に弁当を食べている。1度食べて以来習慣になってしまったのだ。今日は一緒ではないものの他のメンバーともたまに食べている。遠山くんにはよくおかず取られるが。お腹が空いていたので箸を進めていたら光くんと目が合った。 「なぁ、今まで疑問に思っててんけど瑠璃さんと白石部長て仲いいん?」 質問に箸を止め答える事にした。 『この前屋上で話したのがはじめてだよ。』 「え、河原さん覚えてへんの!?」 「やっぱり関係があったんスか…。」 『ちょ、ストップ!私見に覚えが本当にないんだけど。』 会ったと言えばそれは厳密に言うと画面越しであってリアルではないはず。単に私が覚えてないだけか?いや、王子ともあろう方を私が忘れるはずがない。脳というなのメモリーチップに刻み付けているだろう。一人考えていたら白石王子が語り始めた。 「確かあれは3年のクラス分けの時やったんちゃうかな、みんなに押されてる中で河原さん探し物をしとってん。」 「部長、早く続き。」 「そんでな、何落としたんー言うたら俺の顔見た途端逃げられてな、それが印象的過ぎて忘れられんかったんやわ。」 「なんや、そんだけだったんスか。」 「いやいや、ここからやねん!」 話を切替え盛り上げようとするが私も光くんもテンション上げる人ではないので若干の空回りをする王子。ここまで聞いても全く思い出せない。3年のクラス替えといえばまだ最近のはずなのに。残っている卵焼きに手を付けると光くんに頂戴と言われたのであーん、という形で渡す。しかしフラグは立ちません、リアルだからね! 「気になったからみんなが去るまで待って落ちとったもん拾って届けようとしたらな、見事に残ってたんや落とし物。」 「ふーん、で?」 「冷たいなぁ財前、聞いて驚きや?踏まれて泥はついとってんけどな…。」 なんと青学の不二クンと河原さんのツーショット写真やったんやわ! その言葉に私たちは凍り付いた。あぁ、やっと思い出した。何か知らないが不二が写真を生徒手帳にいれておけと言うので私はいつも入れていた。それをあの日友人に見せてと言われたんだ。出したところが悪かった。あんな人込みの中で出したら落とすに決まっている。案の定失くし後日バレて精神的に痛め付けられた。それが白石王子に写真を見られていたなんて。 「な?財前びっくりやろ?」 「部長箸を喉に詰まらせてしまえ。」 「ひどいわせっかく河原さん情報提供したんに!」 『で、白石くん写真は…。』 「確か風に飛ばされて焼却炉に入ったな。」 『証拠湮滅…!』 「瑠璃さんそれで不二さんとはどういう関係ですん!?」 『白石くんの次は不二!?』 私たちの昼休みはまだまだ終わらない 「「(なんか不二と似てるような気がして来た、気に入らないけど。)」」 prev|next |