「…は?」
『だから今日真田と柳生と雅治とブンちゃんが休み。』
「何で?」
『腹痛だってさ。』
「…青菜、変なものあいつらに出してないよね。」
『何で私よ。』
この前俺にレモンのみりん漬けを食わせたのは何処の誰だっけ?

やっぱり根に持っていたな幸村。あー…昨日の賞味期限切れの饅頭が効いたな。まさかブンちゃんでも賞味期限に勝てないとは思わなかった。豚って雑食じゃないの。

「…困ったなぁ、相手がいないじゃないか。」
『柳に切原くんにジャッカルがいるなら一人は大丈夫なんじゃないの?』
「赤也は追試なんだよ。」

なるほど3人になる訳か。もう柳とジャッカルは打ちあっててしかもやり始めたばかりだから相手を頼もうにも頼めない状態。切原くんも終わり次第くると思うけどあの子頭弱いからなぁ…。真田も心配が耐えないね。



「…じゃあ青菜相手してよ。」
『へ!?』
「だって相手いないじゃん、いないよりマシだよ。」
『そもそも私女テニでもマネージャーでもないのにコートに入っちゃいけないんじゃない?ってことでアデュー!

逃げようとした瞬間ボゴォとテニスコートに穴が開いた。いや、めり込んだ。あと5cm前に出てたら私天国にアデューしてたのに幸村は笑いながら惜しいなんて言っている。投げられたラケットを受け取ってめり込んだボールを取り渋々サーブを入れた。

「あ、手が滑った。」

打ったサーブが私の顔をかすめて返された。テニス部なら軽くとれる返球を私みたいな体育で少し齧った程度の私が返せる確率はほぼ0に等しい。

「ごめんごめん、ついいつもの調子で返しちゃったよ。」
『幸村よくも…!』
「ちゃんとラリーしよう青菜。」
『最初からラリーさせる気なかったくせに!』

ボールはこっちに返されて転がっているのでまたこちらからのサーブとなる。ボールを上げて打つ体制に入った。

「ちょっと待て、…霧矢、絆創膏を貼っておかないと。ただでさえ顔がダメなのに傷なんて作ったらお嫁に行けなくなるぞ。」
『柳生に続いて失礼だな!まぁでもありがと、まずは洗ってくる。』

柳から絆創膏を渡されて持って水道に行こうとしたら向こうのコートにいたはずの幸村が私の隣りにいる。

「…俺も行く。」
『いや、これぐらい私一人でも大丈夫…。』
「甘えとけちびっ子。」
『ブンちゃんと背変わらないし!』

またもや引きずられるようにして幸村とともに水道に連れていかれる訳だが今回は後ろで見ている柳が笑っている気がした。


((Too Loveる))


「柳…、幸村あんなだったか?」
「フッ…いいデータが取れるな。」


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