熱でうなされてから早3日、時間はかかったけど無事ライフは全回復した。一時レッドゾーン突入してやばい音が鳴ったけどもうしばらくそれとはおさらばである。登校してまずみんなに大丈夫?とか聞かれたから軽く受け流す。いやー、あぁいうのってめんどくさいよね、同じこと何回も聞かれるし言わなくちゃだし。 「青菜ちゃん大丈夫かの?俺らにあんな物を食わせたからぜよ。」 席に座ると席替えをしたのか前に雅治が座っていた。何でこのタイミングで席替え?しかも私の席変わってないし。窓際最後列ってのもいいけどこうも連続は飽きてしまう。 『全開!まだ根に持ってたのね…。』 「当たり前じゃき、でも心配しとったよ。…幸村が特に。」 『まじ?みんな愛してるわ。そういえば幸村くんが見舞いにきてくれた。』 「…ピヨッ」 急に雅治が窓を外を見て…仁王語?を喋ったので気になって私も窓の外に目を移した。 『…幸村くん。』 みんなが目もくれず通り過ぎる花壇を一人で花の世話をしていた。たまに話し掛けている女子は見えるけど彼女達は花を見にくるのではない。幸村くんが目当て。誰もが花なんて気にしない、あってないようなただの飾り。 「青菜ちゃん。」 『何?』 「もっと素直にならんとダメじゃよ。」 『…どういう意味?』 「なぁに、もう気付いとるんじゃなか?」 意味深な笑顔を私に向けた。 『はぁ…。なんかさ、難しいなゲームじゃない恋愛は。』 「当たり前ナリ、さっさと行くぜよ。何にもなく帰ってきたらこの席明日からない。」 『何だかんだ言って雅治楽しんでるね。』 「まぁ、の。」 朝のチャイムが鳴るまであと10分。今日のSTはサボり決定。なるべく早く行くために階段を一個飛ばしでリズムよく降りて行く。けしてほら…あの鬼太郎みたいな子の真似じゃないけど、いや、真似か。 『リズムに乗るぜ!』 「ご自由にどうぞ?」 『へーい!…って誰だよ。』 「俺だよ。」 すれ違いざまにさり気なく声をかけてくれたのは幸村くんだった。そうか、ST始まるからもう花の世話やめて教室に戻ってきたんだ。 「今更どこ行くの?」 『ちょっと幸村くんに用事があったんだけど…。』 「奇遇だね、俺も青菜に用事があるんだ。」 『なんでしょうか。』 「うん、俺も好き。」 …え? ((ていきゅーぶ!)) △ back ▽ |