治療が終わり病室を出ると待合室でイケメンが待っていた。私は血まみれなので歩く度に振り返られる。さっきはどこの制服か分からないが7人の集団に二度目どころかすごい目で見られた。 「終わったみたいだな。」 『うん、奇跡的に軽傷だったみたいで驚かれた。』 「…そんな血まみれでか。」 『そこはスルーで頼む。』 イケメンは私を一瞥した後に紙袋を手渡した。中身は新しい青学の制服。 「そんな格好で歩かれては俺も迷惑だからな、着替えろ。」 『ありがとう。ところでこのスカート夏用?』 「当たり前だろう、夏なんだから。」 『今着てるの冬用なんだよね…。』 「…いますぐ手配する。」 更衣室を借り着替える事にした。ついでにシャワールームも借りる。所々包帯が巻かれているからもちろん注意して洗う訳だが。 『痛いし臭いがとれん…!』 ボディーソープをふんだんに使用し洗うが途中で昨日駅前で試供品の香水を貰ったのを思い出しそれ以上ボディーソープを使うのはやめた。だってすでに私で1/3を消費しているからである。 『…そういえば下着ない。』 自分の着ていたものは少し血が浸透してしまったし。我慢してはこうかとしたがまずバスタオルを巻いた状態のまま新しい青学の制服の出してみる。スカートの間に袋が一つ挟まっていて開いてみると新しい下着が。 『"俺様の好みに合わせてみた"…歌ってみたみたいなノリで入れんなよ!』 俺様の好みって…、ちょ、おままじ勘弁。赤とか人生で初めてだよつけた事ないよ。それでも着るものがない今これを着るしかない。サイズぴったりとか何これどういうこと。上にキャミソール、制服を着て髪を整えれば朝来た時とほぼ変わらない姿だった。アイロンはとれて髪はくるくるしているけれど。 「遅せぇ。」 『すんません坊ちゃん。』 「坊ちゃんやめろ、…跡部景吾だ。」 『跡部ね、把握。』 「お前の名は?」 『美空茜。』 「…茜、家まで送る。」 『あ、それだけど青学に送ってくれる?多分連れがそこにいるはずなんだ。』 「分かった、俺も青学に行く予定だったから手間が省けたな。」 行きの車は私の血の臭いが漂っていたが送ってくれる車は清潔感溢れる香りにティーカップなどが並べられている。流石と呟けば跡部は当たり前だろうと得意気に笑った。マカロンやブラウニーなど茶菓子もあり昼ご飯近かったので美味しくいただいた。高級感がにじみ出ている。 「そんなにうまいか?」 『美味しいよ。』 「…庶民だな。」 『庶民で悪かったな。』 「貶してる訳じゃねぇ、ただこんなもんで喜べるなんて可愛いもんだなと思っただけだ。…もうすぐつくぞ。」 『えー、まだ食べてたかったのに。』 「また食いに来ればいい。」 『や、私大阪住みだし。』 言った後に跡部の目が見開かれてえ?みたいな顔つきに変わる。確かに大阪のやつが何で青学の制服着てるんだって話。不二に逆らえない私乙。 「詳しいことは連れに聞くことにする。」 『そうしてください。』 外見と中身は反比例 |