「なぁ千歳ー、白石と財前が寝とる!ねぇちゃんもおるみたい。」
「…どこの子たいね?」
「ねぇちゃん起きてー!」
『!?』

何かとてつもない衝撃が体に起きたと思ったら小さい男の子が私の体をぶんぶん揺らしとった。吐かないのが奇跡なぐらい。後ろの…、何かデカい人?は笑っとるだけで助ける気はなさそうだしとりあえず彼の腕を掴んでやめさせた。

『何…?』
「ねぇちゃん何でこんなとこで寝とるん?もう授業終わったでー?」
『嘘…!?だってまだ…。』
「金ちゃんそれじゃ分からん、正確には午前授業が終わったばい。」
『なるほど、じゃあ今は昼休み?』
「そうやで!わいたこ焼き食べるー!白石起きてー!食べるでー?」
「金ちゃんうるさい…、悪い子には毒手…。」

騒がしかったのか起きた白石王子は眠そうに目をこすっている。少しだけ不機嫌そうだ、寝起き悪いタイプなのかもしれない。こすっていた手をそのまま左腕に持っていって包帯を解こうとした。

「あああストップ!わい静かにする!だからやめて!」

ほなしゃーないな、といい王子は解きかけた包帯をまた巻き始める。毒手…?少年は王子に頭が上がらないのか。怯えていた少年と目があったと思ったら目をきらきらさせて私の手を包み込む。

「なぁ、ねぇちゃんも一緒に食おうや!」
「名案やな金ちゃん、美空さんさえよければやけど。千歳は?」
「賛成、それにどういう関係か聞きたい。」
『いいけど私教室に弁当箱取りに行かないと…。』
「そんなの謙也さんに頼めばえぇ、一緒に食べましょ茜さん。」

やっと起きたのか光くんは抱き付きながら提案して来た。謙也さんって誰だ?さんを付けるという事は光くんより年上なのだろう。でもそんな名前聞いたことがない。一人で悶々と考えていたら横から大丈夫っスか?とのぞき込んで来られた。うん、心臓に悪い。


「よっしゃ今日も一番乗りやぁぁぁ!」

ドアが壊れるぐらいけたたましい音を響かせて入って来た金髪。

「あれ?一番やない、やと…!?浪速のスピードスターの名が廃るっちゅー話や!!!」
「うるさい。」

あ、この人アホの子だ。この前は廊下走ってたし何でそんなスピードにこだわるの。

「なんや今日の白石不機嫌やなぁ。」
「別に。」
エ○カ様か!」
「そんなことより早く美空さんの弁当箱持って来いや。」
「そうっスよ謙也さん。」
「そんなことより!?俺今来たとこやし!」
『君が謙也さん!?』
「おぅ!俺が謙也さんやで!」



…光くんの先輩なんやからもっとまともな人やと思ってたのに君かよ…。がっかりだ。ド〇ゴンボール7つ集めて君の存在消していいですか。』





「…え?」
「美空さんやり過ぎや…。」



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