「…ほんで美空さん、財前の彼女じゃないんやな?」 『はい。』 「ふーん…、でもその様子じゃ財前はそうじゃないな、少なくとも気に入られてるで自分。」 『まじっすか。』 実は白石王子(リアル)と話すのは初めてだったりする。だから何話していいか分らん!単語で返せる言葉しか喋れん…!今まではコマンドがあったけどほんま乙ゲーって肝心な時役に立たん!!(※乙ゲー知識は大抵リアルで役に立ちません) 「なぁ、少しお茶しーへん?お茶ゆーても自販機で勘弁、色々聞きたいし。」 『話せる事なら。』 「じゃあ買って来るわ、ちゅーか同学年なんやから敬語やめやー!」 『分かった、お願いね白石くん。』 「んーっ!エクスタシー!」 ごめん、それ何に対しての絶頂?ツッコむ前に白石くんは某スピードスターのごとく飛び出して入ったから私のツッコミは不発に終わった。肩に乗っている光くんの頭が落ちないように気をつけながら伸びをした。それでもうとうとには勝てず寒くなるばかり。王子戻って来るまで起きてられるかなぁ…。自信が無くなってきたや…。 kuranosuke.S side 「ただいま美空さん…って寝てしもてるやん、謙也には負けるけど早う帰って来たつもりやってんけどなぁ…。」 帰って来たら2人は寄り添って寝取ってなんか分からんけどイラッとした。ふだん懐かん財前が美空さんに懐いとったからやろうか。それとも美空さんが財前と仲良くしとったからなのか。…まぁ今はえぇわ、そのうち完璧な俺なら分かる事や。 「それにしても寝顔かわえぇなぁ、姉弟みたい。」 「姉弟とか心外スわ。」 「なんや狸寝入りか。」 「さっきまでは寝てたんですけど身の危険を感じたんで。」 何やねん危険て。そないアブナイ事しーひん…財前には。ユウジと違って別にBなLに目覚めるとかないしちゃんと女の子好きや。太陽の光で輝く美空さんの髪は茶色がかかった黒だから昔染めてから黒に戻したんやろか。ずっと立っているのも疲れるから俺も美空さんの隣りに座った。 「白石部長別に俺の隣りでえぇでしょ。」 「気分?」 「問いに疑問系で返さんでくださいよ。」 「ハハ、すまんなぁ。」 いつまでも冷たい缶ジュースを置いておいても熱を冷めていく一方だから今回は後輩にやることにする。もともと財前にやるつもりやなかったからカルピスや。 「俺コーヒーがいいっス、部長可愛い後輩のために譲ってやってください。」 「あかーん、ガキはカルピスで我慢しとき。」 「頭脳は俺の方が上ですわ、しゃーない、じゃんけんで決めましょう。最初はパー。」 「大人気ない!」 叫ばんといて、起きちゃいます、と彼女に指を指されたので口を紡ぐ。その隙にコーヒーを取られてしもた。年上なのに情けない、こんの生意気にはかなわんわ。ある意味うちのゴンタクレもやけど。 「おやすみ。」 そっと彼女の頭を撫でた。 王子と私のティータイム |