テニス | ナノ

 財前光/ほのぼの

『光くん、暑いよ。』
「俺は寒いっすわ。てか先輩太りました?柔らか。」
『光くん…、そこ…おん…。』
「む『言うな』えー」

紅葉も赤く色づいて寒くなってきた今日この頃だが生憎日差しは強いため暑かった。その上光が抱きしめて…、というか被さってこればこれは真夏並みの暑さに変わる。彼は暑さをあまり感じてないみたいだが。否、顔に出さないだけかも。抱きついてくるだけならいいけどこの小生意気な後輩はベタベタ触ってくるから注意をしておかなくてはならない。

『テニス部行かなくていいんー?毎日白石くん言っとるで、財前は時期部長としての自覚が足らん!まだまだやなって。』
「最後青学のちびっ子みたいですわ。…俺、部長としてなにやったらいいか分からんのです。」
『部長と部員の違いなんてそんなにないんと違う?プレッシャー抱え過ぎや。』
「ちゃう…!俺は口ではいくらでも言えるけど白石部長みたいに指示とか率いていったりなんて出来ない、金太郎だって上手く扱えへんのや…!」

そう言った光の肩は震えていた。想像以上に抱えるものが大きかった。白石くんの後を引き継ぎ部長をやるというプレッシャーは周りからみている私にはわかる事のないものだった。バイブルと言われる白石蔵ノ介。彼の力は強過ぎた。周りを圧倒するテニスや行動力。いくら天才と呼ばれる財前光といえど追い越せざる壁。

「なんで部長は俺なんかを新部長なんかにしたんやろ…。」
『…光ならみんなを引っ張っていけるからや。』
「先輩がおらんと無理。」
『留年は嫌やで。』
「…待っててください、すぐ追いかけます。」
『おん、待ってるで。』


((早く追いつけ))



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