テニス | ナノ

 丸井ブン太と猫の日

「北沢ー、今日何の日か知ってるか?」
『知らないー。』
「聞いて驚け!今日はなんと2月22日…、つまり猫の日!」
『だから何…。』
「…猫をいたわる日?何だっけ…おい!仁王ー!」

知らないで言ってきたんかい。仁王の元に行った丸井を目で見送ってまた本に目線を落とした。世間ではこの日をカップルでラブラブ過ごすんだとか、私には無関係な日である。別に猫をいたわる日ではありませんよ全く。

そうこうしているうちに丸井が満面の笑みを浮かべて戻ってきた。仁王め、また変な事吹き込んだな。


「北沢、仁王に聞いたぜぃ。今日は…。」
『今日は?』
「猫みたいに可愛い子にお菓子をあげる日らしいぜ!というわけではい!」
『違うだろ、そしてなんだその手は。』

私の目の前に広げられた大きな手。テニス部だからだろう手に豆が少しだけ。

「お菓子もらうための手に決まってんじゃねぇか。」
『だったら普通の日と変わらないけど。』
「何でもいいだろぃよこせってーの。」
『丸井は何かを勘違いしている。今日はそんな日じゃなくてカップルがイチャイチャする日なのだ、ほら見ろあそこのリア充を!』
「ふーん…、で、おひとり様は用無しって事だな。」
『そのとおり!』


うんうんなんて頷いたので漸く分かってもらえたようだ。理解力…、丸井国語得意なんじゃないのかい。

「じゃあ俺がリア充になれば猫の日に参加出来るんだな!」
『え、まぁそういう事だけど…。』

また突拍子もない事を。


「俺とお前が付き合えば全部解決!」
『いや、全く違うね!』




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