テニス | ナノ

 仁王雅治/甘

「俺は愛が欲しい。」

…これは先日仁王に今欲しいものを聞いた結果である。ちなみに言っておくが仁王はクラスメートであって親友、いや悪友?で別に恋人とかそんな関係じゃない。正確に言えば私の片思い。あいつの事だからピアスとかかと検討しアルバイトもこっそり家業の親に頼み込んでやろうと思っていたのに拍子抜けだ。


『愛、ねぇ…。』

帰り道の黒い空に向かって一人で呟いた。

愛=愛情=愛のこもったもの=弁当!
いや、食の細い仁王が弁当なんか貰うかな。ただでさえいつもファンクラブの子のやつ断ってるのに。普通にお菓子とか…、あげる前に丸井に取られそうだ。あれこれ思い付くものの最後は何か理由がついてボツになる。ていうかもう6時間もしない内に仁王の誕生日きちゃうし…!




『…結局思い付かないまま23:59…。とりあえず電話してみよう、起きてそうだし!』

電話帳から仁王雅治の文字を探し出し発信ボタンを押した。2コール目で出たとか早過ぎ、…もうだれかから祝いのメールでも来たのかな、せめても祝うのだけは一番がよかったんだけど。

『誕生日おっめでとーう!なんなら南ちゃんが歌ってあげようかはっぴーばーすでぃとぅーゆー!』
「おん、ありがとな。歌はいらない、現時点でひらがなじゃし。」
『ちぇっ、…あ、でさ仁王、欲しいものとかある?考えたんだけどさ、結局まとまらなくて。』


「愛が欲しいって言わんかった?」

『だって愛って言ったって思い付かないんだもん!』
「じゃあ言い方を変える、俺は南ちゃんから愛が欲しいんじゃき。分かる?」

私からの愛…?
私が仁王を愛してもいい事?好きでいていいことなのだろうか。はぁ、全く詐欺師はめんどくさい。

『今更嫌だとかなしだからねー、…好きだよ仁王。』
「無しだなんていわんぜよ、俺は愛しとうよ南ちゃん。」


((仁王くんの誕生日))


―――――

間に合ってよかった!
仁王くんはぴば!

20111204



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