テニス | ナノ

 切原赤也/ほのぼの

「お前ホントくるっくるだよな…、髪の毛。」
『あんたもでしょー!?こんのワカメ!』
「なんだと!?てめー表出ろ!」
『受けて立つ!』

私は生まれつき天然パーマというやつで、幼い頃からいじられてきた。前日どれだけ念入りに手入れしても次の日にはくるくる髪がコンニチハ。アイロンをかけてもこの暑い夏には湿気と汗で戻ってしまうのだった。同じ髪質をしているくせに毎日つっかかってくる切原と私は所詮犬猿の仲。周りからは夫婦などと呼ばれているがこっちは迷惑極まりない。ありえない、夫婦とか…。私だってストレートな髪の毛がよかった。

「南、ならストパーかけてみたらどうじゃ?」
『仁王先輩いつからそこに…。』
「さっきナリ。俺は今のままでいいと思うが嫌ならそういう手もあるぜよ。」
『…なるほど、先輩ありがと!』
「ピヨッ(さて、赤也の反応が楽しみじゃ)」

というのが昨日までの会話。仁王先輩の助言でついにストパーデビューを果たした私は教室でみんなに驚かれているところである。可愛い可愛いって何度も言われた。今までは可愛くなかったのか、友人達よ…。

「おはよーッス。」

来た、切原赤也。今日は一段と眠たそうに欠伸をしながら教室に入って来た。そして見事な天パに加え酷い寝癖。隣りにドカッと荷物を机に落としイスを引いたところでようやく目が合った。

「は、北沢おまえ…。」
『ストパーかけたの、もうくるくるなんて言わせないんだから。』

驚いて目をパチクリさせる姿は見ていて滑稽だった。見返した気分。でも表情はみるみる曇っていき眉間にしわがよっている。

「…変。」
『は?意味分かんない。』
「勝手にしろよ。」
『何キレてんの?』
「キレてなんかねぇ!」

バンッと机を両手で叩いて立ち上がる切原。少しだけ音に驚いて方が震えた。

「悪ィ…、でももう二度とストパーかけんな。」『え?何か言った?』
「だから!今までのままで十分可愛いし!」


((おそろいだろーが!))




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