「触ってもいーい?」

私の何気ない一言に泉田くんの顔はみるみる赤くなって、とっても面白い。いつものことなんだから良い加減慣れれば良いのに、とも思うのだけど、やっぱりこの反応、たまらない。真っ赤になってアブゥと呟いた泉田くんを確認して(私は肯定の意味だと勝手に解釈している)、その厚い胸板に手を伸ばした。

「アンディ、フランク、元気ー?」


さわさわ。ぴくぴく。泉田くんの右大胸筋が動く。うん、今日も元気そうだね、フランク。それから、今度は左大胸筋に耳をぴったりくっつける。どっくんどっくんどっくん。アンディも元気に仕事をしているみたい。

「ファビアンはどうかなー?」

そのまま背中に両手を回して、ぎゅって腕に力を込める。途端に泉田くんの肩がびくりと跳ねる。ファビアンはわかりやすい反応がないからよくわかんない。とりあえず撫で回しとこ。

「ど、どうかな、今日の3人は…?」
「うん、みんな調子良さそうだねー!」

泉田くんの声は震えてる。泉田くんにぴったりくっついたままでいると、黒田くんと目があって、またかよ、って声に出さずに口パクされた。うん、まただよ。って、私も口パクで返事した。

だってしかたないじゃない、泉田くん、これ以上先に進もうとしてくれないんだもん。私は早く、仲の良い友人以上の関係になりたいのに。でも私から切り出すのは、なんとなーく癪だから。

女の子にここまでさせといて、それを受け入れておいて、まだ私の気持ちに気づかない、なんて。絶対言わせないんだからね。泉田くん。


 
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