short | ナノ

ハロウィン*蜻蛉・残夏


「トリック・オア・トリートっ!!お菓子くれなきゃイタズラしますっ!」
「いいだろう、私が調教してやる!」
「違うっ!お菓子・オア・イタズラっ!」
 
やっぱり変態さんにハロウィンは通じなかったか…。お菓子欲しかったのになぁ。
 
「蜻さまぁ、あたしイタズラしないからお菓子がいいなー。あと調教いらない」
「私からのプレゼントを拒否するとはなかなかのドS!」
「お菓子がいいーっ」
 
お菓子をくれない蜻さまに手を出す。
 
「はて…お菓子なら先ほどカルタに全てやってしまったぞ」
「ひどっ!あたしの分は!?」
「悦いぞー♪」
「悦くないっ!あたしのお菓子ーっ!」
 
カルタちゃんに全部あげるなんて…。うぅ、お菓子欲しかったぁ…。
 
「るりたんお菓子欲しいのー?」
 
ぴょこっと黒いうさみみが蜻さまの黒マントの後ろから顔を出す。
 
「残夏くん!欲しい欲しいっ」
「じゃあボクがあげるねー☆はい、手出してー」
 
“うんっ”と元気良く両手を出す。お菓子何かな何かな!?
 
ワクワクしながら待っていると差しだした手に軽い何かが乗せられる。……箱?
 
「コンビニにて新発売のハロウィンシリーズ、パンプキンチョコー」
「やったぁっ!」
「満足かなー?」
「うん、ありがとっ」
「いいえー♪」
 
もらったお菓子の箱を持ってその場でくるくるとはしゃぎ回る。えへへ、今日チョコいっぱいもらっちゃった!
 
「蜻さま…は、いいや。もうお菓子いらない」
「なら私がイタズラをしてy「残夏くんありがとー!」
「…私の言葉を遮るとは貴様、ドS!」
「蜻たん、もうるりたんいないよ?」
「………………。」
 
くるっとスカートを翻してその場を離れる。新発売かぁ、楽しみだなー。
え?蜻さまが何か言ってた?…そんなの気のせいだよ、うん。
 
 
 
『trick or treat☆』
 
『お菓子をくれなきゃイタズラしますっ』
 


prev / next
[ back to top ]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -