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ハロウィン*カルタ・卍里


「トリック・オア・トリートっ!」
「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ…?」
 
さっきまでちよちゃん達といましたが、双熾くんがおかしくちよちゃんがどっか行ってしまったのでカルタちゃん達のところへ来ました。
 
「い、イタズラってなんだよ…」
「イタズラしないからお菓子ちょーだい?」
 
早く、と言わんばかりに両手を卍里くんの顔の前に両手をつきだす。なにくれるかな、なにくれるかな?
 
「イタズラ…。じゃあ、お菓子の代わりに渡狸を食べる…とか?」
「え、なにそれ新しい!」
「お、俺は不良だ!逃げも隠れもしねーっ!!」
 
くいっと顎に人差し指を添えながら首を傾げるカルタちゃん。…いつみても露出の多い服だなぁ。
 
「あたしは卍里くんじゃなくてお菓子食べたいなーっ」
 
にぱっと笑いもう一度両手を差し出す。
 
「……ホラ」
「え」
 
ぽんっとあたしの両手に置かれた小さい包み紙。
 
「わ、飴だー♪」
「それしかねーからなっ」
「渡狸…わたしも欲しい…」
「お、おう!」
 
可愛い袋に包まれた飴には色んな味があった。
 
「……栄養ドリンク味…?」
「なんだよ、旨いんだぞ」
「…えぇー」
「文句あるのかよっ」
「別にー…。おいしいのかなぁ」
 
“っていうか、その格好…”とあたしが来てる魔女っ子の服を指差す。なんかひどいな、その言い方。
 
「可愛いでしょー?」
「べ、別に…」
 
出ました。自分から興味を示しておいてこれですよ。なんなんだ君は。
 
「野ばらちゃんにもらったんだー」
「あぁ、どうりで」
「…どうりで何?」
「いえ、なんでもありません」
 
いきなり頭を下げる卍里くん。え?怒ってなんかないよ?
 
「渡狸、もっと飴…」
「あたしにもー」
「そんなにねぇよ!?」
 
 


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