ハロウィン*凜々蝶・双熾
「トリック・オア・トリートっ!」「まぁ、郷に入っては郷に従え…ということか」 二人の魔女コスした少女がスーツの銀髪青年に手を出す。一人は目をキラキラと輝かせ、一人は腰に手をあていつものように鼻で笑う。 今日はハロウィンです。 「双熾くん、お菓子ちょーだーい」「はい、どうぞ」「やったっ!ありがとー」 えへへ、双熾くんからお菓子をゲットしました! 「み、御狐神くん。トリック・オア・トリー「イタズラ希望で」「イタズラ希望っ!?竜条さんにはお菓子だったのに!?」「その前に凜々蝶さまの可愛らしい姿を携帯に収めてもよろしいでしょうか」「よくないっ!っていうか、僕がイタズラされてないか!?」 あたふたしてるちよちゃんの周りをパシャパシャと写メる双熾くん。あれ、あたしにはお菓子くれたのに。 「とっ、とにかく!イタズラを希望したんだ、おとなしくイタズラされてもらおうか!」「はい、どうぞ」 おおっ、なんかちよちゃんが燃えてる…! 「では、お手を拝借。…手袋を取って…」「?」「ちよちゃん?」 ちよちゃんが双熾くんの手を取り、手袋も取る。え、何するんだろう…。 『かぷっ』 「!?」 ぱくっと双熾くんの指をくわえた。 意外と恥ずかしかったのかみるみるちよちゃんの顔が赤くなっていく。 「ざっ…ざまをみろっ!!//」 そう言い残してちよちゃんは去っていった。 「…そ、双熾くん。イタズラされたね…?」 「……ハロウィンがかくも素晴らしい行事だったとは…!」「え」 イタズラされたのにいつも以上に喜んでいる双熾くんの姿がそこにはありました。 (トリック・オア・トリート♪)
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