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不器用なの、分かってるから


「ちよちゃーんっ!遊ぼー!」
「い、嫌だ」
 
断られました。
しかも2秒で。
 
「双熾くん、ちよちゃんが遊んでくれない」
「凜々蝶さまは僕と遊びますからね」
「ちょっと待て」
 
なんかちよちゃんが双熾くんの言葉に反応していました。
 
「いつ僕が御狐神くんと遊ぶと言った」
「そんな…凜々蝶さまは僕と遊んでくださらないのですか?」
「わたしも一緒に遊びたいなぁ」
「君たちで遊んでればいいじゃないか」
 
はっ、といつもの素っ気ない態度だけど双熾くんとわたしは分かる。
 
ちよちゃん、わたしが声かけたら表情が変わったから。
俯いてた顔が上がったから。
 
「…やっぱちよちゃん可愛いなぁ」
 
わたしは綺麗な黒髪を撫でた。
 
「…馬鹿にしているのか」
「全然。大好き」
「…僕も竜条さんのこと、嫌いじゃないがな」
「やった。じゃあ遊ぼー」
 
それは関係ない、とちよちゃんは首を横にふった。
チラリと双熾くんを見ると相変わらずの笑顔。
 
うん。
 
ちよちゃんは可愛い。
 
 
でも。
 
遊んでくれない。
 
 
そんな貴女も好きです
 
 
 
(じゃあ王様ゲームでもしよか)
(なぜそのゲームを選んだ)
 

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