「いやしかしシスター、最近ストーキング減りましたね。」
「何度も言うがストーキングではない。
名前とあんな近くにいれたのだからあと2ヶ月は寝食を無くして生きていける気がする……」
「えぇ、ただの気のせいでしょうね。」
過激な乙女のような行動は止めて欲しい。
「でも少なくなっただけマシですよ。そんなシスターに良いこと教えてあげます。」
「何だ。」
「まぁ、ニノさんに聞いたんですけどね…」
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「はぁ。」
「どうしたリク、ため息なんてついて。」
「あぁ、ニノさん。いや、ちょっとシスターと名前さんの事でいろいろ…。」
「そう言えば最近シスターが元気無いな。」
「まったく、あの人も恋愛沙汰にはてんで駄目ですね。」
「恋愛沙汰と言えば、この間名前と似たような事を話したな。」
「え、ど、どんな事ですか!?話せる範囲なら…、聞きたいです。」
「なにもそんな堅苦しい話じゃない。好きなタイプを聞いていただけだ。」
「好きなタイプ!!!つまり……?」
「確か…背が高くて…」
「(お、良い感じ…)」
「優しくて…」
「まぁ…はい」
「家庭的な人、だそうだ。」
「分かりました!ありがとうございます!」
リクはその場を後にした。
「まぁ、ようは……………ん?行ってしまったか。」
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「という事ですよ。」
あの後すぐにシスターを探しに行ったリク。
「……シスター?聞いてます?」
瞬き一つしないシスター。
「リクルート…」
「なんですか?」
「私は背が高いか…?」
「かなり」
「優しいか…?」
「まぁ星とかと比べたら月とスッポンですね。」
「…家庭的だろうか…?」
「少なくとも、お菓子作りができる男性はなかなかいないですよ。俺はできますけどね。」
「リクルート…」
「シスターでも十分可能性はあります」
「…!」
「だから頑張ってくださいね。」
「あぁ……分かった。恩に着る。」
ホッと息をついたリクルートだった。
一方、
『え!?ニノ、リクに話したの!?』
「あぁ。でも最後まで聞かずに行ってしまった。」
『え、え〜……一体どこまで……?』
「名前のタイプを教えただけだったんだが…。駄目だったか。悪かった。」
『い、いや、タイプだけなら良いよ!気にしないで。』
「シスターのタイプも分かれば良いんだがな。今度リクに頼んでみるか。」
『良いの!?ありがとうニノ!』
「あぁ、頑張れよ、名前。」
『うん!』
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(私のタイプ…?えっと…、まず背が高くて、優しくて、家庭的な人…かな?
まぁ…、全部シスターに当てはまっちゃうんだけどね!)