聞くーhearー

「いやしかしシスター、最近ストーキング減りましたね。」

「何度も言うがストーキングではない。
名前とあんな近くにいれたのだからあと2ヶ月は寝食を無くして生きていける気がする……」

「えぇ、ただの気のせいでしょうね。」


過激な乙女のような行動は止めて欲しい。


「でも少なくなっただけマシですよ。そんなシスターに良いこと教えてあげます。」

「何だ。」

「まぁ、ニノさんに聞いたんですけどね…」



************




「はぁ。」

「どうしたリク、ため息なんてついて。」

「あぁ、ニノさん。いや、ちょっとシスターと名前さんの事でいろいろ…。」

「そう言えば最近シスターが元気無いな。」

「まったく、あの人も恋愛沙汰にはてんで駄目ですね。」


「恋愛沙汰と言えば、この間名前と似たような事を話したな。」

「え、ど、どんな事ですか!?話せる範囲なら…、聞きたいです。」

「なにもそんな堅苦しい話じゃない。好きなタイプを聞いていただけだ。」

「好きなタイプ!!!つまり……?」


「確か…背が高くて…」
「(お、良い感じ…)」

「優しくて…」
「まぁ…はい」

「家庭的な人、だそうだ。」
「分かりました!ありがとうございます!」


リクはその場を後にした。


「まぁ、ようは……………ん?行ってしまったか。」




************




「という事ですよ。」


あの後すぐにシスターを探しに行ったリク。


「……シスター?聞いてます?」


瞬き一つしないシスター。


「リクルート…」
「なんですか?」

「私は背が高いか…?」
「かなり」

「優しいか…?」
「まぁ星とかと比べたら月とスッポンですね。」

「…家庭的だろうか…?」
「少なくとも、お菓子作りができる男性はなかなかいないですよ。俺はできますけどね。」


「リクルート…」

「シスターでも十分可能性はあります」

「…!」

「だから頑張ってくださいね。」

「あぁ……分かった。恩に着る。」


ホッと息をついたリクルートだった。










一方、









『え!?ニノ、リクに話したの!?』

「あぁ。でも最後まで聞かずに行ってしまった。」

『え、え〜……一体どこまで……?』

「名前のタイプを教えただけだったんだが…。駄目だったか。悪かった。」

『い、いや、タイプだけなら良いよ!気にしないで。』


「シスターのタイプも分かれば良いんだがな。今度リクに頼んでみるか。」

『良いの!?ありがとうニノ!』

「あぁ、頑張れよ、名前。」

『うん!』




ーーーーー

(私のタイプ…?えっと…、まず背が高くて、優しくて、家庭的な人…かな?
まぁ…、全部シスターに当てはまっちゃうんだけどね!)




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