「名前、そんなところで何をしてるんだ?」
シスターが見たのは家の上で作業をしている名前の姿。
『あ、シスター。今屋根の修理をしてるの!』
「何か非常事態か?」
『雨漏り発見して…、もうちょっとで終わる…かも…』
目線を屋根に向けたままシスターと会話をする。
「気をつけろよ。」
『はーい』
それから数分、シスターはずっとソワソワしながら名前の事を見ていた。
『…っいた…』
「!どうした!?」
『や、木のトゲが刺さっただけ。』
「降りてこい。悪化したら大変だ。」
『大丈夫だよ。』
「降りてこい。」
『…もぅ』
しぶしぶ屋根の上から慎重に降りてくる名前。軽く右手を浮かしていたのをシスターは見逃さなかった。
「指を出せ。トゲが刺さったままだろう。」
有無を言わせないまま名前の手を取って指を見た。
『…ここ』
「あまり深くは刺さってないな…」
名前はずっと大人しくしていた。
「取れたぞ。痛くないか?」
『うん。…シスターの手大きいね。』
二人は名前の手をすっぽり包んでいるシスターの手を見た。
「す、すまん…!!」
するとシスターはバッと手を離して教会へと戻ろうとした。
『あ、シスターありがとう!またね!』
「…あぁ」
少しだけ名前の方を見て軽く返事をした。
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(リクよ……私はいったいどうしたら……!)
(何があったか知りませんが、何もしなきゃ良いんじゃないですかね。)