与えるーgiveー

「名前…、お、おは、おはよう。」

『おはようシスター!』


あれからシスターはある程度なら名前に話しかけられるようになった。


「まずは一歩だな。」


陰ながら見守っていたリクは肩をおろした。


『なんかまだ食べ足りないかな〜……お腹すいた〜』

「!…これ、食べるか?」


そう言ってクッキーを差し出した。


『わ!良いの?ありがとう、シスター!』


やったー!と喜んでいる名前の横でシスターはまた固まっていた。


『私これからP子の所に行くんだ!またね、シスター!クッキーありがとう!』

「あぁ……」


リクは1人になったシスターの元に歩いて行った。


「シスターどうしたんですか?」

「いや、ただ、あの笑顔は………ヤバいな…」

「シスターもだいぶ乙女になりましたね。」


リクは片手で顔を覆うシスターを尻目に、その場を去った。



ーーーーー

(どうしたの?名前。えらくご機嫌ね。)
(えへへ、シスターからクッキーもらったんだー!)
(あぁ、良かったわね。お互い。)




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