「さぁ、シスター!明日、すなわち今日になりましたよ!」
住人の家を見て回ると、今日は星のトレーラーの影にいた。
「しかしだな…。」
「何狼狽えてるんですか。それといい加減その定位置止めてください。名前さん、普通に気付いてますよ。」
「なんだと…通りで目が合うわけだ…」
リクがまた深いため息をついた時、
「おいリク何やって……………シスター、俺のトレーラーに引っ付くの止めて欲しいんだけど…」
トレーラーの主である星が出てきた。
「シスター今日は名前さんに話しかけるんだと。」
「マジかよ!シスター遂に行動するのか!」
「さぁ、シスター。行ってきてください。」
「いったい何を話したら良いんだ…」
「何でも良いと思いますよ。」
「戦争の話か…、それとも機関銃の話か…?」
「どっちも駄目だと思う。」
「とりあえず声かけてみたらどうです。」
「だが…」
そこからシスターはブツブツと何かを言っていた。
「(リク、なんとかしろよ。)」
「(なんで俺が)」
「(シスターの恋のキューピッドなんだろ)」
「(ふざけんな)」
しばらくして
「シスター、もう日が暮れちゃいますよ。」
「名前のやつ、もう帰っちまうぞ。」
「いやしかし…」
シスターは再びうつ向いて唸り始めた。
『リクもシスターも、朝から何してるの?』
「それがシスターが……」
「え……」
シスターはバッと顔を上げた。
「…名前…」
『なに?シスター。』
「き、今日も良い天気だな…」
『うん。綺麗な夕日だよね。』
「そ、そうだな。」
『じゃあ、皆また明日ね。』
「あぁ…」
「ん、また明日なー」「さようなら。」
名前は手を振って帰って行った。
「良かったですね、シスター。……シス、シスター?」
「放っとけ。」
かれこれ一時間は放心状態だった。
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(シスター、そんなところで何をしてるのかしら。邪魔だから早く河川敷から遠退いてくれない?)
(マリアか…。すまない、今退けよう。)
(ついでにその腑抜けた顔を止めて欲しいわ。気持ち悪い。)
(すまない……腑抜けていたか……)