Title | ナノ





辺りは暗くなって、空は星で溢れている。


『今日は楽しかった…。』


首元のネックレスを弄りながらつぶやいた。


「なにが楽しかったんだ?」

『!村長。』


いきなり現れた村長。


『私今日誕生日で、皆いろんな物をくれたんですよ。』

「あー、お前誕生日か。そういえばいろんな奴が話してたな。」

『話題にするほどのことじゃないですけどね。』

「わり、俺プレゼントねぇわ。」

『別に欲しいわけじゃないんで良いですよ。』

「そうか?じゃあ来年なんか用意するかー。」

『ふふ、楽しみにしてますよ。』


「名前、生まれてきてくれてありがとな。」

『な、なんですか急に…。』

「なんで引き気味なんだよ、お祝いの言葉だろ。誕生日おめでとう。」

『……ありがとうございます。』


くそ、こんな時に良い声で言うなんて。


「なに照れてんだよ。」

『別に照れてないです。』


「あー!名前いたー!!」


『P子?それにマリア達まで…。』

「もう!探したのよー?家にもいない、川辺にもいない。」

『橋の真下にいたからね。』

「名前!Happy birthday!!」

P子の後ろからステラが走ってきてそのまま抱きつかれた。その反動で後ろに倒れて村長にぶつかった。


「いてっ!」

『ステラ!どうもありがとう!』

「俺は無視か。」



「名前、誕生日おめでとう。」

『ありがとうマリア!』


「よし、これからパーティー開くか!皆呼んでくるぞ!」

『え?でももう夜だし…』

「こんな時間に寝てる奴はいねぇよ。それに名前の誕生日パーティーだって言ったら皆走って来るぜ。」

「そうよ!私もニノ達を呼んでくるわ!」

『…』



一年に一度の特別な日。
私はなんて幸せ者なんだろう。



おめでとうの言葉だけ

それは一年に一度の記念日




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