ニノが帰ってから5分も経たない頃、遠くから鉄人兄弟が走ってきた。
「「名前さーん!!」」
『あ、鉄人兄弟たち!おはよう。』
「ねぇねぇ、今日って名前さん誕生日?」
『あ、覚えててくれたの?嬉しい。』
「うん、ちゃんと覚えてたよ!誕生日おめでとう名前さん!」
「おめでとう!」
『ふふ、二人ともありがとう』
「でも僕たちなんも持ってきてないんだ…」
「シスターが誕生日にはプレゼントを渡す習慣があるって言ってたんだ!」
『そんな、おめでとうって言われただけで凄く嬉しいよ。』
「だめ!僕たちからもプレゼント渡すんだ!」
「シスターが言ってたんだけどね、外国では挨拶とかのかわりにキスをするんだって!」
『あの人は子供に何を教えたいんだろうね』
「だからプレゼントはほっぺにキスすることに決めたんだけど…、それでも良い?」
『全然良いよ』
「じゃあ名前さんは目つぶってて!鉄郎は向こう側ね!」
「うん!」
『はい、目つぶったよ』
しゃがんで目をつぶると二人の会話しか聞こえなくなった。
「じゃあいくよー!」
『はーい。』
ちゅ
と可愛らしい音をたてて、両ほっぺにキスをされた。
『……あれ?』
想像していたのは、あの鉄仮面特有の冷たさ。
だが実際頬に当たったのは温かくて柔らかい、いたって普通の
子供の唇。
『!!』
バッと隣を見ると、仮面をつけたままのいつもの二人。
「「名前さんだけの特別だよ」」
そう笑って言われた。
『あ、ありが、とう。』
驚きで口がうまくまわらない。
「じゃ、名前さんまたね!」
「ばいばーい!」
唖然としたまま手を振り返した。
『(きっとあの二人は将来とんだプレイボーイになるな…)』
そう思った。
後日、あの時は自分たちの電波を一時的にシャットアウトしたのだと科学的に説明されてなるほどなぁという会話をした。
お祝いのキス
組織対策もバッチリ
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