「ん」
『ん?』
いきなり目の前に差し出されたのはコンビニ袋。
『なに?』
「昨日のアイス」
『昨日?……あ、あぁ、あれか』
「な、なんだよその反応。せっかく買ってやったのに…」
『あー、ありがと。ありがたく受けとるわ』
「おぅ」
『なんだガリガリか、…どうせならもっと高いアイス買ってよ。』
「贅沢言うな」
『でもなんでこんな事』
溶けていないから、きっと今さっき買ってきたのだろう。
「だってなんかお前落ち込んでたから」
『私が?』
そんなに顔に出てたのだろうか。
多分つい先ほどの出来事のせいだろう。
『それは…さっきP子と喧嘩したからかな。』
「喧嘩?」
『暴言と罵倒が折り重なって…』
「女子の喧嘩ってほんと怖いよな」
『P子に大嫌いって言われたし、私も言っちゃった…』
「俺には嫌と言うほど言ってるけどな。」
『私いっつも自然にそういう事言っちゃうし、ほんとは皆嫌なんじゃないかなって思って…』
「慣れれば平気だぜ?俺とか、かなり耐久性ついたし」
ちらっと横目で星を睨む。
『…星、本気で心配してないでしょ』
「だって名前がおとなしいのなんか気持ち悪いしな」
『酷い』
「悪いと思ってんなら早く謝ってこいよ」
『…うん』
「大丈夫だって。俺、お前のこと好きだぜ!だから大丈夫だ!」
『………』
こいつはまたとんでもない事をさらっと言ってくれた。
「どうした?」
『バカ。自信過剰過ぎ。ありがと。』
「お前っていちいち暴言吐かないと去っていかないのな」
私がP子を探しているとP子も私を泣きながら探していた。
ごめんね、大好きだから、がお互い綺麗にハモった。
俺、お前のこと好きだぜ
こんなに簡単に言えるのに、彼には
← →