Title | ナノ






シスターは人前では恋人らしい事はしない。

今日はシスターと一緒にP子にお酒のお礼をしに行った。


『………』

「名前、言っておくが昨夜はただ寝ただけだぞ。」

『え!?だってシスター…、』

「寝顔が可愛かった、とは言ったが?」

『な、あ…、』

「どうした?」


と軽く笑みを浮かべた。


『うぅ〜…、』


この男、確信犯だ…


「ついたぞ、P子。」

「ん?あら!シスターに名前!」

「昨日の酒の事を言いに来た。」

『すっごく美味しかった!』

「ほんと?嬉しいわ!シスターもどうだった?」

「あぁ、良かった。色々と。」

「色々?」

『あーー!良いから!!それじゃまたね、P子!今度のも楽しみにしてるね!』

「うん!また来てねー!!…
…ふふ、あの二人本当に仲良しね。」






ーーーーーーーーーーーーーーー






『もう!何言うつもりなのよ!』

「昨日の事をただ伝えようとしただけなんだがな。」

『バカ!!』



「ん?あれ、名前?それにシスターも…。散歩か?」

『星!』

「なんのようだ」

「な、なんだよ…、なんか怒ってる…?」

「また名前に何かしに来たのか?」

「い、いや、そんなナンパとかじゃないから…!」

「当たり前だ。そんな事していたら今すぐに貴様の頭に風穴を開けているところだ。」

「だってお前らって全然恋人同士に見えないし…」

「私たちは恋人同士だが?」

「だからそう見えないんだって!」

「そうか?」


シスターが意見を伺うべく私の方を見た。


『うーん、まぁ、外じゃね…』

「ふーん……じゃあそこまで好きじゃないってことだろ?」

『は?』


星はいきなり変な事を言い出した。


「実を言うと俺ほんとは名前の事好きだし」

『は?』


何言ってんだこいつ。


「名前だってシスターより俺の方が良いって思うだろ?」

『なに言って…!』







「いい加減にしろ」



『シスター?』

「そこまで好きじゃないだと…?ふざけるな、私は名前の事を誰よりも好きだ。」


そう言って名前を片手で抱き寄せた。


「お前なんかには絶対にやらん」


『シスター…!』


すると星はきょとんとしてから、大爆笑し始めた。


「アッハハハ!!知ってるよそんな事!ただちょっとハッパかけただけだって。俺はニノ一筋だからな、名前なんか好きになるわけないだろ!」

『なんだと』

「いや〜、シスターも本当はそういう事ちゃんと思ってたんだな〜。あはははは。

はは…。

ごめんなさい。銃をおろしてください。」


星の目の前にはかなり怒っているシスター。


「じゃ、じゃあな!!」


と、星はあっという間にいなくなってしまった。


「……はぁ、まったく…」

『やっと嵐が去った…。それにしても、シスター』

「ん?」

『よくあんな事、外で言ったよね。しかもかなりの大声で。』

「…っ」


思い出したのか、シスターは一気に赤くなった。


「っ私としたことが……頼む忘れてくれ。」


そう言って教会へと歩いていった。


『あ!待ってよ!私忘れないよ?絶対。』

「…何故だ忘れろ」

『だって恥ずかしかったけど、凄く嬉しかったんだもん!ありがとう、シスター。私もシスターの事大好き!』

「…あぁ」


さすがにシスターも恥ずかしかったのか、好きとは言い返してくれなかった。

でもその代わりに、手を繋いでくれた。



俺としたことが……頼む忘れてくれ


そういう所も全部大好き




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