Title | ナノ





この間の私の決死の思いを受け取ったシスターは今私とデートをしている。


『まぁ、歩くだけなんだけどね…』

「なにがだ?」

『なんでもない』


言葉は少ないけど、さりげなく歩幅を合わせて歩いてくれている。
優しい。


『まさかシスターがデートしてくれるなんて』

「私もそれくらいはするぞ」

『そうだね。優しすぎるくらいだもんね。』

「そうか?」

『うん』


また静かな時間が流れる。


『…ねぇ、シスター』

「な、なんだ」

『さっきからなんか変』


あまり目も合わそうとしないし、なんだかそわそわしている。


『挙動不審』



「…笑わないか?」

『場合によっては』

「………」


『わ、笑わない笑わない!』

「…緊張しているんだ」

『緊張?』

「名前と初めてデートをするから、その、だな…、」





なにこの人。可愛い。





『シスター大好き』

「っいきなりそんな事を言うな!」

『シスターは?言ってくれないの?』

「……好き、だ。」

『ふふ』

「名前の満足できるようなデートになるように、自分の欲は抑えているんだがな、」

『うん。』

「正直なところ手をつなぎたいと思っているんだ。…駄目か?」


恥ずかしそうに一瞬だけこちらを見たシスターとバッチリ目があった。
そんなの


『い、良いに決まってるでしょ!こっちが照れるわ!!』


するとシスターはふっ、と笑って、優しく手をつないできた。


「名前」

『んー?』


そして顔を近づけて、



「愛してる」



そう耳元で囁いた。



正直なところ手をつなぎたいと思っている

(そっちだっていきなり言わないでよ……!)





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