勘違い作戦




「今日も良く頑張ったわね、名前!」


あの日から三日後。
ずっと星に抱きつきたい衝動を抑えていた名前の手は真っ赤になっていた。


「でも星の方もこれといった動きは無かったわ…。」

「アイツはヘタレじゃからのう…。」

「じゃあこんなのはどうかしら?」


そこで案を出してきたのはマリア。
その作戦とは


【実は違う人が好き!あなたなんて、たくさんいる男の1人よ!!作戦】


だった。


「最後の言葉はいるの…?」

「あら、これが別の男の存在を存分に引き立たせるのよ。」

「むしろリアリティに欠けない!?」

『星以外の男を愛せっていうの…!?』

「名前、これで星もあなたの大切さに気付くかもしれないわ。…ぷぷ」

『…そっか…、そうよね!さすがマリア!!』

「名前って天然なの、バカなの?」


そうして第2の作戦
【実は違う人が好き!あなたなんて、たくさんいる男の1人よ!!作戦】は開始された。






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「俺いい加減1人の時間が欲しいんだけど。」

「それより、最近名前がおとなしいっていうか…、接点が無くなったっていうか…。」

「お前が冷たいから諦めて他の男の所にでも行ったんじゃないのか?」


リクは名前がおとなしい理由は知っている。だがもう言葉を返すのもめんどくさくなってきたのだ。


「!!なっ…、なんだって!?」

「まぁ、それは無い…、………」


「…あ?どうした…?」


リクが一点を見て固まったので、星もその方を向いた。


二人が見た光景は



『あはは、シスターがそんなんだから駄目なんだよ!』

「私は特に何もしていないんだがな…。」


P子プロデュースのオシャレをした格好の名前がシスターと手を繋いで仲良さそうにしていたのだ。


「「ほんとに違う男がいたぁぁあ!!」」




「ん、名前、こちらに気付いたようだ。」

『そりゃ、これ見よがしにこんな所を歩いてたら誰だって視界に入れるよ。』

「星が凄い顔をしているが…?」

『っ!もしかして星、シスターの事が好きで私に嫉妬してるとか…!?そんな…!!』


「それは絶対にない。(ふむ…、星も鈍感だが名前もここまでとはな…。もう少し自信を持っても良いものを……よし。)」

『?シスター…?』


グイッ
『っ!?』

「「!?」」


シスターは名前の手を引いて自分の方へと抱き寄せた。


『し、しす、』

「静かにしていろ。星に誤解を生ませたいんだろ?」


マリアとP子に


『名前のためにバカップルのふりをしなさい』


とキツく言われたシスター。

自分も名前の恋愛を進展させてやりたいと思っていたのでちょうど良かった。


『シスター火薬臭い。』
「すまない。」











「な、なんだよ、あれ…。」

「名前さんとシスターってそういう関係だったの!?」

「お、俺が冷たくしてたからか…?」

「お、おい、正気を持て!星!!」







「騒がしいな。これくらいで止めておくか。」

『星に抱きつきたい。星を追いかけまわしたい。はぁ…。』

「(こっちも末期だな…。)」





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(またあんたらの仕業か!星かなりダメージ受けてんぞ!!)
(名前もそろそろ疲れてきてるわ…。)
(シスターのクッキーでも食べさせてまだまだ頑張ってもらいましょ!)
(お前ら鬼か!!)




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