女の子大作戦




『どうしたら星はこっちを振り向いてくれるんだろう…?』

「もう少しその暑苦しい求愛行動を抑えたらどうかしら?」


場所はマリアの牧場。
メンバーは名前とニノとP子とステラとマリア。女の子だけの相談会を開いている。


『この暑さはね!私の星に対する想いの大きさと比例してるの!!』

「名前も粘るよねぇ〜。でも私だって村長を想う気持ちは誰にも負けないわよ!」

「私だってシスターを想う気持ちは負けないけん!!」


『う〜ん…』

「名前、元気をだせ。こういう時は距離感が大事なんだ!」

『距離感?』

「あぁ、リクが言っていたんだ。近いけど遠い…、遠いけど近くに感じるあなたの愛!!とな。」

『まさかニノからそんなセリフが聞けるとは思ってもいなかったよ!』


グッと拳を握るニノはリクを真似ているのか、眉尻を上げて力の入った顔をした。


「そうだわ!名前!こういうのはどう!?」


そうしてP子が提案してきたのは

【押してだめなら引いてみな!】

作戦だった。


「名前は押しが強すぎるのよ!たまには女の子らしく、おしとやかに過ごしてみるの!もちろん後ろから抱きつくのも禁止よ!!」

『なっ、なんですってぇ!!それじゃ、私はどうやって星に抱きつけば良いの!?』

「だーかーら!抱きつく事を我慢するのよ!!星を振り向かせたいんでしょ!?」

『ハッ!そうだね…。これも1つの愛…。分かった!私、頑張る!!』


名前は立ち上がり、周りの女子も皆立ち上がって声援を送った。


「そのいきよ!名前!」

「頑張れ!」

「まぁ、どこまでいけるか楽しみね。」

「そうじゃな!!名前の精神はどこまで強いかのう!!」


そうして【押してだめなら引いてみな!】作戦は始まった。






ーーーーーーーーーーーーーーー






「ん…、あれ誰だ?」
「あ…?」


星がいつものようにリクに相談をしていると、遠くで見知らぬ人を見つけた。


「あれ、女の子…?P子でもないしニノさんでもないし…。」

「P子もニノも両隣にいるじゃねぇか。」

「じゃあアレ誰だよ。」

「見に行って見るか。」


二人はその少女に近付いていった。


「ニ、ニノさん、その人誰ですか?」


少しうつむき気味のその女の子は自分で自分の手をつねっていた。(え)


「なんだリク。それに星も、気付かないのか?」
「「え?」」

「そりゃ私だってこんなに可愛くなるとは思わなかったわ。」
「「は?」」


「こいつは名前だ。」


「「はあぁぁああ!?」」



「え?え?ニノさん、この人、名前さん…?」

「そうだ。」

「え…名前…?」

『なぁに星!?』

「「!!」」


二人は名前だと確信したと同時に


「「(か…、可愛い…!!)」」


と思った。


『あ!いけないいけない…。耐えろ…!』


すると名前は唇を噛んで何かに耐えていた。


「名前さん…、何で、っていうか、いきなりどうしたんですか?」


普段特にいじってもいなかった髪をアップにして、いつものジャージではなく、女の子らしい洋服を着ている。


『〜っ、もう駄目!!』


そう叫んだ名前は教会へと走っていってしまった。


「あ…、」

「なによ星、その『もっと見ていたかった』っていう顔は。」

「はぁ!?どこがだ!!!」


そう言うと星もトレーラーの方へ走っていってしまった。


「はぁ、ま、ぼちぼちね、ニノ!」

「そうだな!名前も良く抱き付かなかったな。」

「そうよね〜。頑張ってたわ。」

「あの、何の話ですか…?」


その後リクは全貌を聞いて納得し、それと同時に


「(あぁ、また俺に被害がまわって来るんだな…。)」


と思った。




ーーーーー

(シスター!私、良く耐えたよね!?)
(あぁ、良く似合っている。これなら星も振り向いてくれるだろう。)
(二人共話噛み合って無いわよ…。)

(何でいきなりあんな可愛い格好すんだよ!?ていうかリクもリクでジロジロ見てんじゃねぇよ!!

あぁ〜…、もう…/////)



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