Re:風邪っぴき2





あの後、そのまま寝て次の日になってしまった。



ガチャ
「……」


替えの新しいタオルを手に、入ってきたシスター。



『……ん…、シスター…?』


「あぁ、起こしてしまったか…。気分はどうだ?」

『…昨日よりはだいぶ良いです。』

「だがまだ熱はあるな。今日も休んでいろ。」

『…水…』

「?喉渇いたのか?」

『違…、くて、…花に水…、あげないと…』

「……」



どうしようか、とシスターが悩んでいた時、



コンコンコンコンッ



「ちょっと待っていろ。」



扉を開けて、そこにいたのは、


「シスター、リリーの具合はどうだ?」


魚を片手に持っているニノ。


「あぁ、まだ少し熱がある…、…そうだニノ、少しリリーと話をしてきてくれないか?」





そしてニノを部屋に招き入れた。






「リリー大丈夫か?これ魚だ。食え。」

『ニノ、ありがとう…。…あ、そうだ。ニノに頼みたい事があるの。』

「なんだ?何でも言ってくれ。」


シスターもそのためにニノを招き入れたのだろう。


『お店の花に水やりして欲しいの…』

「あぁ、良いぞ。P子の畑もやっているから要領は分かっている。」

『ごめんねニノ。ありがとう。』

「気にするな!リリーは早く風邪を治すんだ。」

『うん。』





二人が話し込んでいる時に、また訪問者が来た。



「村長。」

「よ、シスター。リリーの具合はどうだ?」

「昨日よりは楽になったらしいですが、まだ熱はあります。」

「そうか、やっぱりな〜。よし、シスター台所貸してくれ!」





ーーーーーーーーーーー





「じゃあ帰るな。花の事は心配しないでくれ。」

『うん。ニノに任せるね。ありがとう。』


そして帰っていったニノに代わってシスターが入ってきた。


「ニノ帰ったのか。リリー、お粥食べれるか?」

『はい。多分スプーンも持てます。』

「そうか。」


少し残念なシスター。


『いただきます。』


ある程度食べ進めた時、


『なんか今日のお粥、味が違いますね。美味しいけど…。』

「あぁ、村長が作ったやつだからな。」

『ぶ、ゲホッ、ゴホッ!!』

「大丈夫か。」

『なんか変なもの入れてませんでしたか!?』

「特に見ていないが…」



絶対にあの変な汁は入れられただろう。



『……』

「どうした。」

『いや…、もう良いです。』


スプーンを置いたリリー。


「ならもう休むか?」

『…はい。』

「(…一気に生気が薄れたな…)」





ー次の日ー





『………』


「治ったな。」



『…認めたくない…、認めたくないけど…!』



あの後、村長に会いに行ったリリー。



「お!リリー治ったのか?」

『ええ、ええ、おかげさまで。村長の作った変な汁のおかげですよ。』

「あのお粥食べたか。ばっちり効いただろ!」

『やっぱり入れたんですね。汁。』

「効果は抜群だな。」

『……』




「「あー!リリーさーん!」」

「リリー!!」


遠くから走ってくる鉄人兄弟とステラ。


「もう治ったんか!」

『うん!』

「やったー!」



「おー!リリー治ったのか!」

「水やりはちゃんと遂行したぞ!」


さらにやって来た星とニノとリク。


『ニノありがとね。』

「あぁ!お安いご用だ!」


その日、リリーの常識論の中に【生茹で汁は効く】という事が追加された。



ーーーーー


(ていうか村長、料理できたんですね。)

(なんだ、また作って欲しいのか?)

(…汁無しなら)

 

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