皆でデート!




『あ、ラストサムライおはよう。』

「む、リリー殿!こないだは迷惑をかけてしまって…」

『大丈夫だよ。それより、もう平気?』

「もうすっかり良くなったでござるよ!リリー殿のおかげでござる!」

『そんなこと…。最終的には村長のおかげだしね。』

「リリー殿も十分働いてくださった。」

『そうかな?ところでさ、ラストサムライ。』

「なんでござるか?」



『デートしようか。』



「!?デ、デヱト!?」

『この前約束したでしょ?』

「そ、そういえば…。今思えば恥ずかしい事を…」

『ラストサムライが良ければ、だけど。』

「全然!全然良いでござる!」

『そっか!それで、鉄人兄弟もいるんだ。』

「え」





ー数分後ー




「「リリーさーん!」」


リリーの右隣にはラストサムライ。左には鉄人兄弟、という珍しい組み合わせだった。


『今日は良い天気だね。』

「そうでござるな……」

『どうしたの?』

「い、いや、なんでも。」

「リリーさんの手あったかい!」

「デートー!」


「(リリー殿、絶対デートが何なのか分かってないでござるな…)」


ラストサムライが軽くうなだれていた時、


「おー、風邪組。もう治ったか?」

「村長のおかげー!」

「すっかり良くなったよ!」

「そうか、良かったなー。それにしてもお前ら、」

『ん?』

「こうして見るとなんか親子みたいだな。」

「え」


ラストサムライは固まり、うんうんと頷いている村長の足元では鉄人兄弟たちが喜んでいた。


「リリーさんがお母さんなら凄く嬉しい!」

「親子に見えるってー!」

『ふふ、それならラストサムライがお父さんだね。』

「そ、そそそ、そうでござるな!」


「どうしたの?」

「あ、もしかして僕たちのお父さんは嫌だとか?」

「そうではないでござる!拙者も、できればこのような関係に…、」

「あー!リリー!」

『ステラちゃん!』

「……」


遠くの方からステラと目が合い、彼女は笑顔を浮かべながらこちらに走り寄って来た。


「皆で何しとるんじゃ?」

『デート』

「リリーさんとデート!」

「デート?デートってのは好きな相手とするんじゃないんか?」

「リリーさん僕たちのこと嫌い?」

『えっ!?皆好きだよ!鉄雄も鉄郎もラストサムライも皆好き!』

「リリー殿……!」

「だったらデートしてても良いよね!」


「リリー、ワシは?」

『ステラちゃんの事も好きだよ。』

「じゃあワシもデートするけん!」


「村長はー?」

「俺眠いから帰る。」

『そんなはっきりと…』




それから夕方になり、リリーとラストサムライは、鉄人兄弟とステラが凍った河辺で遊んでいるのを見ていた。



「今日はデートというより散歩のような感じでござった…」

『楽しかったね』

「まぁ…、そう言われれば、楽しかったでござる。」

『子供たちは元気だな〜』



「…リリー殿、」

『ん?』

「拙者は……、………いや、なんでもないでござる。」

『?』

「また誘ってくだされ。」

『うん』






言葉の続きは、またいつか。







ーーーーー


(ただいまです、シスター。
どうしたんですか、銃なんて持って…)

(何でもない。何も起きなくてなによりだった。)

(?)

 

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