お父さん権争奪戦2





【さぁ、ついに始まりました。いったいトップバッターは誰だ!?】

【意気込みからして星あたりじゃないですかね。】


ノリノリな実況は鉄人兄弟がお送りする。


「んじゃ、俺行くぜ!」

【おおっと、やはりトップバッターは星だー!!】

「リリー、俺の歌を聞いてくれ。」


そして星はリリーへのラブソングを弾き語った。




ーーーーーーーーーーー




ジャンッ
「どうだった?リリー。」

『すごく良かった〜!』


リリーは拍手をした。


「リリーさん、ときめきましたか?」

『え?あ、そっか、ごめん、いつも聴いてるからときめいてはいない…、かな?』

「!!」



【星撃沈ー!!】

【あっけなく散ってしまったー!!】




星:敗退




ーーーーーーーーーーー




【さてさて、お次は…?】


「拙者が行くでござる」


【ラストサムライだー!!】

【果たして日本最古の侍はリリーさんをときめかせることが出来るのだろうか!?】

「鉄人兄弟、どこでそんな実況の仕方学んだんだ。」



「リリー殿、いつも相談に乗ってくれて感謝するでござる。」

『そんな、別に良いよ。』


するとラストサムライはリリーの手をとった。


「よければ今度、お礼も兼ねて一緒にデートしてくださらぬか…?」

【これはデートのお誘いだーー!!】

「なっ!」

【シスターは武器を下ろしてください!】



『良いよ。今度行こっか。』

「本当でござるか!?」

『うん』


「(リリーさんはデートの意味を分かっているんだろうか…)」

【リリーさんはあまりときめいてはいないようだが…?】


「拙者はもう満足でござる!!」


【おぉっと、ラストサムライ辞退しました!!】

【ものすごく輝いた笑みを浮かべています!!】


ラストサムライ:棄権




ーーーーーーーーーーー




【さてさて、お次は誰が挑戦するのか!?】

【リリーさんをときめかすことができても次の日には命が無くなっているかもしれません!!】


鉄人兄弟の隣には黒いオーラを撒き散らしているシスターが立っていた。


「じゃあ俺行くかな〜」


【村長が動き出したーー!!】

【これならシスターもなかなか手を出せません!!】


空気を読んだマリアが瞬時にP子を連れ出した。


『村長、絶対めんどくさくなったでしょ。』

「あ、分かる?」

『あからさまに乗り気じゃないですもん。』

「ステラの父さんになったらリリーのお婿さんってことにもなるんだろ?」

『え?』

「「!!」」


皆の核心をつくことを言った。


「俺妖怪だから人間の夫はな〜…まぁ、でもお前となら楽しいかもしれないけどなぁ〜」


そう笑ってリリーの頭をぐりぐりと撫でた。


『……』


【おっと、リリーさん、なぜか固まってしまった!】

「引いたんじゃね?」



『……ちょ…』

【ちょ?】



『ちょっとときめいたかも…』



「「ええぇぇえ!?」」

【ついにときめいたー!村長がリリーさんをときめかせました!!】

「でも俺やっぱ人間と付き合うの無理だわ。」

【しかし辞退!!】



村長:棄権




ーーーーーーーーーーー




残るはリクだけとなった。



【一番の有力者は村長だが3人中2人が辞退してしまうという始末!】

【さぁ、リクルートは星を越えることができるのだろうか!!】


「でも星って敗退したんだろ…?」

「リク、行ってこい!」

「え、でも…」

「星に負けるな!」

「星に…、あたりまえですよ!この俺が負けるなんてありえないですからね!!」


【意気込みだけは十分なリクルート!】

「やかましい!!」



【さぁ、ラストを飾るのはこの男、リクルートだーー!!】




「(……勢いよく飛び出してきたけど、リリーさんはどうしたらときめいてくれるんだ…?)」

『リク、ネクタイ曲がってるよ。』

「え…?あ、」

『よし、はいできた。』

「あ、ありがとうございます。」

『うん』

「(……なんかこれって…)」



【まるで新婚のようだ!】


「「……」」



「(視線が痛い!)えーと…えーと、リ、リリーさんも髪乱れてますよ。」

『え?あ、さっき村長に撫でられたからかな?』

「ちょっとじっとしててくださいね。」

『はーい』


リクは両手でリリーの髪を解かしていった。


『リクの手、温かいね。』

「そうですか?」

『それに大きいし。』

「俺も男ですからね。リリーさんよりは大きいと思いますよ。ほら。」


そう言ってリクは右手をリリーの左手に合わせた。


『ほんとだ。』

「リリーさんの手は小さいですね。」

『…発展途上だから。』

「意味わかりませんよ。でも、俺はこれくらいの方が可愛くて好きですよ。」

『は』

「「は!?」」


【リリーさん顔が真っ赤になりましたが、果たして…!?】

『普段のヘタレなリクじゃないからドキドキした…』

「失礼な」


【これは、一気に大逆転だー!!】

【この勝負、勝ったのはリクルートだーー!!】




「おおお。」

パチパチと拍手しているのはニノ1人だけ。




他は





「なにリクルートの癖にちょっとかっこつけてんだよ!!」

「貴様にはニノがいるだろう!!」

「僕リクさんの弟になるの嫌だよ!」





「そいつがステラのお父さん…?……ワシはそんな奴よりシスターみたいな強い人じゃないと認めんわい!!」

「えぇぇえ…」



「そうだなステラ。私もステラのお父さんになりたいしな。」

「なに恍惚の笑みを浮かべてんだ!!」

『シスターがお父さんだったら毎日クッキー食べ放題だね!』

「そうじゃな!」




「この戦いの意味は…?」

「まぁ、気にすんなよリク。」

「そうでござるよ。拙者も薄々こうなるんじゃないかと思っていたでござる。」



リクの肩に腕をまわす星とラストサムライ。



「…ていうかお前さりげなくデートのお誘いしてたよな。」

「リリー殿はきっとデートを散歩かなにかと勘違いしているでござる…」

「…そうだな」


すっかり暗くなってしまった空の下に肩を落とす3人がいた。




ーーーーー


(リリー、星にはときめいてはいないな?)

(はい)

(ラストサムライに変なことを言われなかったか?)

(大丈夫ですよ)

(リクルートに変な所を触られていないか?)

(?はい)


(…親子か!!)

 

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