「もう入って良いわよー!」
「あ?もう良いのか?」
「寒かった…」
中に入ると、
『あ…、どうかな…?』
星の選んだ服を身につけたリリー。
「「すっごい可愛い!!」」
『この服凄く可愛いよね!星に選んでもらった甲斐があった!』
「服だけじゃなくてリリーもなんだけどな…」
「リリー!早くデート行くぞ!」
「ニノさん、一応相手は俺ですよ。」
「こんな格好のリリーが見られるなんて…今日はついてるわ!この勢いで村長にアタックしてこなきゃ!!」
『あ、行ってらっしゃい。』
「台風かアイツは」
そうしてWデート(河川敷を散歩するだけ)が始まった。
「リリー、ごめんな。私は河川敷から出られないんだ…」
『全然良いよ。私、散歩好きだし。』
「なぁリク。お前たちのデートっていつもこんなんなのか?」
「…あぁ」
「あ、ニノちゃんと…あれ…、もしかして、リリーさん?」
「鉄人兄弟か。」
『やっほー』
「リリーさんその格好どうしたの!?」
「凄く可愛いよ!」
『えへへ、ありがとう。』
「似合ってるね!」
『ふふ。星とリクがプレゼントしてくれたの。』
「ん?リリー殿、でござるか…?」
『あ、ラストサムライ。』
「これは…一気に女性らしくなったでござるな…」
『ありがとう!』
「よく似合っているでござるよ。」
『皆からそんな風に言われるとなんか照れるなぁ…』
「自信を持つでござる!」
「そうだぞ、リリー。」
『うん…!』
「ところで、リリーさん達は何をしてたの?」
「あぁ、私たちはだぶるデートをしていたんだ。」
「ダ、Wデート!?」
「「デートってニノちゃんとリクが、でしょ?」」
「それと一緒に星とリリーもだ。」
「え!?星とリリーさんが!?」
「二人って恋人同士なの!?」
「星!何をやってるでござるか!!」
『私と星は恋人同士じゃないよ。』
「じゃあなんでデートしてるの!?」
「うるせーな!恋人じゃなくてもデートはできるんだよ!!」
「じゃあリリーさん!今度僕とデートしよう!」
「僕も僕も!」
「ならリリー、私とも今度デートしに行こう。」
『そうだね!楽しそう!皆でデートしよう!』
「あいつら、デートの意味分かってねぇな。」
時は流れて、夕方。
4人はあの後、リクの家へと戻っていった。
『楽しかったー。』
「たまにはだぶるデートというのも悪くないな。」
「「(あれはデートじゃないだろ…)」」
「なぁ、リリー。」
『ん?なに?星。』
「今日俺がなんでデート誘ったか分かるか?」
『私が落ち込んでたからでしょ?ありがとう、星。』
「…それもあるけどさ、お前と行きたかったんだ、ずっと。」
『それは…どうして?』
「…どうしてだろうな?」
星は小さく笑ってリリーの頭にポン、と手を置いた。
「鈍いな……。ま、楽しんでもらえたなら何よりだ」
『うん!』
そうしてリリーは元の格好に着替えて帰っていった。
ーーーーー
(はぁ…)
(星、元気だせよ。
リリーさんの鈍感は今に始まった事じゃないだろ?)
(リリー可愛いかったな…)
(落ち込んでんじゃないのかよ!)