(リク視点)
「リク、起きろ。日曜日だぞ。」
「うぅ…、何で日曜日なのに起きなきゃいけないんですか…?」
「日曜日はミサに行くんだ!」
「…ミサ?」
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立派な建物があった。この河川敷でも格別大きい教会が青空をバックに地面にそびえ立っていた。
「こんなものが橋の下にあったなんて…」
「かっこいいだろう。何年か前に皆で作ったんだ。」
「へぇ…教会ってことは司祭様とかもいるんですか…?」
「司祭…?よくわからないが、教会にはシスターとリリーが住んでいる。」
またリリーさん。"シスター"と"リリー"ってことはそのリリーって人はシスターではないんだな。無宗派の同居人とかかな?
「だが最近は仕事で出掛けているからな。リリーはまだいない。」
「どんな人かは知らないですけどよっぽど会いたいんですね。」
「あぁ!皆待っているからな……そろそろ始まるぞ。」
あの人がシスター…
ってデカッ!
しかも男かよ!!!
「シスターより命ずる………全員整列ー!!!」
ドガガガガッ!!!
とそのシスターは銃を撃ちまくった。
この人は癒しにはなりそうにない。
帰りたい。
「二、二、ニノさん!何なんですかあの人はー!!あの銃ってニセモノですよね…!」チューン
「うるさいぞ。静かにしていろ。」
顔の真横になにやら弾丸のようなものがとんできた。
「よし…悪い事した人お手上げー、はいナーシ!
撤収!!」
「嘘マジ!!終わり!?」
5秒だよ…
しかも
「なんでクッキーなんか貰ってるんですか!」
「リクも恥ずかしがらないで貰ってくれば良いだろ…」
「おい、お前。」カチャ
「リクルート。ニノの伴侶か。」
「あ…あの…」
銃を向けられ身体はピシリと止まってしまった。なんなんだ…???何か気に触ることをしてしまったか…!?
「お前の愛は本物か?」
「え!?」
「答えろ。撃つぞ。」
「ちょっ、あ、愛は分からないですけど、決心は本物です!!」
パンッ
銃口から出たのは花と旗と紙吹雪。
「噂には聞いている。ニノを幸せにしろ。」
「は…は、い。「それと」」
「本当に他の奴に心変わりしないな?」
「し、しないです!!」
「よし。」
やっと銃を降ろしてくれた。やはり宗教が絡むと浮気等は重罪になるんだろうな…。まあこんな確認をせずとももちろん問題はないのだけれど。
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それから3日後、シスターに連れられて牧場へと来た時に気になることがあった。
牧場ではマリアさんというそれはそれは恐ろしい人に出会った。
「喋らないで、酸素がもったいないから。」
綺麗な人なのに…!
「シスターもうざいわ。」「すまない」
「女装癖。」「すまん」
「暑苦しい。」「すまん」
「ロリコン。」「すまん」
シスターすげぇえ!!
顔色一つ変えないなんて…。
俺もこれに慣れていかないといけないんだな…!
「…はぁ、つまらない人ね。そんなんだからリリーも愛想をつかしたんじゃないかしら?嫌われたんじゃない?まだ帰って来てないし…、あなたのせいよ。」
「す、すま…」ブシュ!!
「シ、シスター!!」
シスターは傷口から血を噴出して倒れた。
「だ、大丈夫ですか!?
「あぁ…帰るぞ、リク…私を運んでくれ。」
シスターは材料を抱え、リヤカーに倒れ込んだ。
「いや、何でだよ!」
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「最初涼しい顔してたじゃないですか。リリーさんって人の名前が出てからダメージ受けまくりですよ。」
「…」
「リリーさんっていったいどんな人なんですか?」
「…リリー…」
「シスター、もしかして、その人の事好きなんですか?」
「!!」
うつむいたシスターは懐から手榴弾を取りだし、そして
ドオォォォォオン!!
投げた。
「な、な…」
さらにその穴の中に潜り込んだ。
「リク、先に行っていてくれ。」
「穴があったら入りたい程恥ずかしくても、無かったら我慢してください!!」
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(ふふ、面白い反応…。それにしても、リリーったらいつ帰って来るのかしら?つまらないわ…)
(リリーさんって人もマリアさんみたいな人だったらどうしよう…)