短編 | ナノ

 Happy Halloween!

「名前菓子くれ。」


いきなり現れた星。
そしていきなりお菓子を要求された。


『ラーメンキャラメルとミルク飴どっちが良い?』

「飴。つか、なんでいっつも微妙なお菓子持ち歩いてんだよ。」

『なかなか減らないんだよねー、食べないから。』

「そりゃそうだろ。」


星のこちらに向ける手のひらの上にミルク飴を差し出すとひょいっと口の中に放り込まれてしまった。


『星もお菓子ちょうだい。』

「俺もあげなきゃなんねぇのかよ。ったく、確かガムが…、」


そう言って後ろポケットを探り始めた星。


「あれ、無いな…」

『無いのー?私ちゃんと渡したのに。』

「昨日まではあった気がすんだけどな。残念だったな。」


『じゃあイタズラだ。』

「え、いや、いいよ。」

『拒否権はないでーす。』

「うわ!なにするつもりだ、離せ!」


星のマスクをグイグイ引っ張る名前。


『動かないでー!』

「なにしてんだよ!」




『よし!もういいよ!!』

「あ?おい、なにした。」

『なんもしてない。マスクの性能を確かめてただけ。』

「はぁ?意味分かんねぇ。」

『まぁまぁ、じゃあね星。』


そうして名前は帰り、


「なんだってんだ…。」


星も逆方向に帰って行った。
その道中でやたらと視線を感じる。


「星キモい」

「若いっていいなぁ…!」

「リクも顔にするか。」

「嫌です。」


足早にトレーラーの中に避難し、マスクを外して確認してみると、


「なッ…!!!!」


裏に黒ペンででっかく名前と書かれていて、周りを赤いペンで書いたハートマークに囲んでいた。


「…お菓子用意しときゃ良かった……」


酷く後悔した。



Happy Halloween!



(しかも油性じゃねぇか!!)
(来年はなにしよっかな〜。)
 
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